このあいだ用があって、青山だか赤坂だかよくわからない場所に行った。道も広くてキレイな街だったが、暑い日で太陽の光に灼かれながら歩いていると目が回ってきた。そんなとき公園を見つけた。高層ビルの隙間に隠された小さな森のようだった。
足を踏み入れると、頭上から涼しいミストが降り注いできた。まるで公園があいさつをしてくれたかのようだった。私は爽やかな気分になり、木々の作る影に安らぎを感じながら、ベンチに腰をかけた。疲れた足を伸ばし、どこかから聞こえてくるせせらぎの音に耳を傾けた。
公園のなかは、美しい人々が散策していた。みな自然の色をした柔らかい服を着ていた。私は自分の安っぽい服が恥ずかしくなった。天使のような子どもたちが、笑い声を上げながら、木洩れ陽の中を駆け回っている。私は自分の町の公園のことを考えた。
そこでは、木はみんな枯れていて日陰もなかった。土埃が舞い、地面はひび割れていた。子どものかわりに喫煙者と酔っ払いと変質者がノビノビしていた。
そのとき、ひとりの男が向こうからやってきた。男の服はくすんでいて、ズボンの膝のあたりは真っ黒になっていた。男はフラフラと歩きながら、私のベンチの隣にあるゴミ箱の前に立った。その扉を開け、カゴからひとつずつ中身を取り出して調べはじめた。新聞、ペットボトル、紙屑、何かの容器……。
神様かもしれない、と私は想像する。