一二時開演のライブ。日曜午前中の渋谷は少し不穏で、裏通りは臭った。昨晩のはしゃぎを持ち越す集団や、歩道の真ん中に倒れ伏している若い男を避けながら、会場に向かう。
幽体コミュニケーションズは、自然音とバックトラックを使う複雑な演奏だが、骨格は日本のポップで、それが楽しい。ヴォーカルの人が「朝に起きると朝の体になる」と言っていて、まさに日曜のお昼の音楽になっていた。
宇宙ネコ子は日曜の午後の台風のようだ。新曲を四曲演奏した。そのうち最初の二曲は十月のアルバムに入る予定だが、後の二曲は入らないのだそうだ。入るとすれば、次の次のアルバムかも、とのこと。実際に聞いてみると、雰囲気が確かに違うのだった。
ボーカル+ギターの人(kano)が、飲み物としてペットボトルを二本持ってきていた。一本はコーン茶で、もう一本はココアだった。ステージでジャック・ダニエルを飲む人はいるが、ココアを飲む人ははじめて見た。
メインギターの人(ねむ子)は、フレーズも的確で、ノイズも分厚い。私の好きなギタリストだ。いつもステージ右側の床に白い布を敷いて、その上に座って弾く。なので、少し後ろからだと、演奏しているようすはよく見えない。もっと後ろからだと、いるかどうかもわからない。今回は私は右側の二列目だったので、その演奏をたっぷりと見ることができた。
もっとも、演奏中はほとんどステージの奥のほうに顔を向けていた。だが、まれに客席を見るときがある。いつもマスクをしている人なので、表情はわからないが、とても楽しそうな目をしていた。
一二時からのライブハウスもいいものだと思った。歩道で寝ていた男も今ごろは歩き出していることだろう。