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切り取りの怪物(2)

「フンガー!」

広い世界に飛び出した怪物は叫んだが、その声にはどこか物寂しげな響きがあった。なぜなら、怪物は、恐ろしげな外見とは逆に、純粋で美しい心の持ち主だったからだ。いや、そんな見た目だったからこそ、心がいっそう清らかになったのかもしれぬ。

そんな心美しい彼をもっとも苦しめたのは、出会う人出会う人、彼を見るや悲鳴をあげて逃げていくことだった。

彼は思わず醜い自分を呪った。「フンガー!」

そのときだ、耳をつんざくような叫び声が彼の耳に飛び込んできた。ハッと見ると、自動車が今にも子どもの列に突っ込もうとしているのだ。怪物は我を忘れて車の前に身を投げ、その車体を跳ね飛ばした。あわやというところで、子どもたちの命を救ったのだった*。

だが、なんということだろうか。子どもやその親たちは、怪物に感謝するどころか、ツギハギだらけのその姿に悲鳴をあげ、拳をあげて憎悪をむき出しにしたのだ。

「フンガー!」 怪物は絶望の呻き声をあげた。ああ、切り取り報道から生まれた存在に、この世の居場所などあるものだろうか?

(*怪物のいる前で、都合よくこんな事故が起きるなど、できすぎた話だと思う人もいるかもしれない。だが、我が国の車は子どもの列と見ると突進せずにはいられないのだから、こんなことは実にありふれた出来事なのだ。こうした事故を根絶したいのならば、もっとアメリカ車を輸入すべきだろう。)

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切り取りの怪物(1)

マスゴミどもの切り取り報道により、謝罪と辞職に追い込まれた元国会議員が、故郷の自宅の広大な敷地に秘密のラボラトリーを建設した。彼はそこで、狂気の実験を繰り返した末、恐るべき怪物を作り上げたのだった。

その怪物は今、全身ツギハギだらけという醜い姿で、巨大なベッドに横たわっていた。いかつい首の左右からは、マスゴミのペンが突き出している。元国会議員は唇を歪めて笑った。「フハハ、普通の人ならば一目見ただけで、そのおぞましさに気絶してしまうだろう!」

元国会議員はベッドの脇に設置されたレバーに手をかけた。「切り取り報道をつなぎ合わせて創造された我がモンスターよ!」 彼は、レバーを押し下げながら叫んだ。「目覚めよ!」

たちまち凄まじい閃光がほとばしり、その巨大な体躯が痙攣した。怪物はゆっくりと目を開けると上半身を持ち上げ、この世のものとも思えぬ恐ろしい叫びをあげた。元国会議員の声が響き渡った。「行け! お前を切り刻んだマスゴミどもを血祭りに上げ、恨みを晴らすのだ!」

「フンガー!」

モンスターは地響きを上げながら立ち上がり、ラボの壁を拳で打った。たちまち粉々に砕け散り、ぽっかりと穴が空く。そこから怪物は外へと出ていった。

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カルチャークラブの戦争はんたーい!

拘置所にいる友人から手紙が送られてきた。以下に書き写す。

……僕が犯した罪についてはもう聞いているだろうか。弁護士に説明しても理解してもらえなかったから、こんな手紙を送ります。

Colour by Numbers って、カルチャークラブのアルバム、1983 年に出たんだけど、僕が聞いたのは中学生の頃だった。誰もが衝撃を受けたよね。僕もそうだったんだけど、そのとき僕は自分が他の人と違うということに気がついたんだ。

アルバムのジャケットを覚えているかな。カラフルなジャケットの右半分にボーイ・ジョージの顔があってね。僕はこのジャケットを見たとき、それまで味わったことのない感情を感じた。というのも、ボーイ・ジョージの隣にこんなふうにカタカナが書かれていたから。

ボ
ー
イ

僕がショックを受けたのはこれなんだ。この「ー」なんだ。僕はなんだか横書きの「ー」を縦にしたくなった。思い切ってジャケットを横に回してみた。すると「ー」は「|」になったけど、なんと「ボ」と「イ」は横になってしまったんだ! 僕は怖くなってレコードを押入れの奥にしまって、それきり忘れてしまった。

ところが、それから何十年も経った後に、外を歩いていると、不意に「カーマは気まぐれ」が耳に飛び込んできたんだ。そのとき、あの思い出が蘇ってきた。あのときよりももっともっと強烈に。

そのときたまたま、外国人観光客が目に入った。自撮り棒を片手に動画を撮りながら歩いている。横にしたり縦にしたり、横、縦、横、縦……僕はもう見境をなくして、その自撮り棒を奪い取って、真っ二つに折った……どうしようもなかったんだ。

弁護士が言うには、僕は裁判にかけられるそうだ。法廷では「Do You Really Want To Hurt Me」を歌うつもりでいるよ。

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真夜中のストリートピアノ

僕たちの街から、ストリートピアノがなくなっちゃったんだ。街の広場にあるそのピアノで僕たちはいつも遊んでたのに。ギャンギャングワングワン叩いたり、ポロンポロンキャンキャン弾いたり、ツタタタタタタンと楽しんだりしてたんだ。

だけど、ある朝、こんなふうな張り紙がしてあったんだ。

「ストリートピアノは、プロのピアニストが無料で弾くためのものです。それ以外の人は汚い手で触らないでください。市長より」

僕たちみんな、がっかりしたんだ。そしたら、大人たちが怒り出したんだ。

「ストリートピアノは、誰でも自由に弾くためのものだ!」

「プロが無料で、だなんて、厚かましいにもほどがある!」

とうとう大人たちが市役所にまでやってきて、大声で叫んだものだから、市長は謝って、この街にストリートピアノがあるとロクなことにならない、ってどこかに持っていってしまったんだ。

それからしばらくして、革命が僕たちの街にもやってきたんだ。

市長は革命軍の仲間になって、ピアノのときに反抗した大人たちを全員捕まえて、その夜、街の広場で全員の頭をかち割ったんだ。ちゃんとドレミの音が聞こえたよ。

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真実のエイプリルフール

どうかみなさん、私の友人を助けてください。彼は今、この山のどこかでひとり怯えながら命を繋いでいるのです。これを一刻を争う状況と言わずしてなんと言いましょうか。

彼はこの 3 月 31 日深夜、ひとりでこの山に向かい、そのまま消息を絶ちました。どうしてそんな無謀なことをしたのかと、不審に思われるかもしれません。それはやむを得ぬことであったのです。純真で真面目な彼は、エイプリルフールに騙されるのはもう絶対にイヤだと、4 月 1 日だけ、人間たちから絶縁しようとしたのです。携帯電話も持たず、一日分だけの装備でこの山に篭ったのでした。

ですが、一日経ち、二日経ち、そして一週間が過ぎ去りました。彼の友人である私たちはいてもたってもいられず、この山を訪れ、捜索を始めました。

はじめはいかなる手がかりもありませんでした。もしや彼は亡くなったのでは、と落胆した私たちでしたが、そのとき、この山の麓の住人の方から思わぬ目撃情報が舞い込んできました。

「最近痩せこけた見知らぬ男が山道を歩いているのを見かけた。近づいて声をかけると逃げてしまった」

彼は生きていたのです! そして、議論の末、私たちはこう結論を出しました。

「彼はエイプリルフールが終わったことをまだ知らないのだ」

その日から私たちは山の中を「エイプリルフールは終了しました。なんの心配も要らぬから、一緒に帰ろう!」と拡声器で呼びかけながら歩き回りました。また「エイプリルフール終了セリ。直チニ下山セヨ」と書いたビラを空から山に撒きました。ああ、ですが、なんということでしょうか。こうした懸命の捜索の結果、昨日、私たちは山奥から「嘘つきー!」と叫ぶ声を耳にしたのでした。

もうこうなったら、私たちの手には負えません。みなさんの力をお借りし、多人数で捜索すれば、きっと彼を救助できるはずです。嘘に満ちた世界とたった一人で戦っている彼をどうか助けてください!

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異界のテレビ(2)

見ると画面で日本人たちが話している。それはドラマのようだったが、見覚えのないものだった。ちょうど最後のシーンのようで、やがて、エンディング曲が流れ出した。そして、また別の日本語のドラマが始まった。ということは、これは外国の放送に日本のドラマの断片がたまたま映し出されたのではなく、日本のテレビ放送だということだ。

その次に放送された30分ドラマも彼の知らないものだったが、徐々にある疑いが頭をもたげてきた。そして、続いてやはり見たことのない映画が始まった。タイトルの後に監督の名が映し出されたとき、彼の疑いはある確信へと変わった。その監督はいつだったか性暴行で逮捕され、業界から追放され、その作品はすべて上映不可能となったのだった。やはりそうなのだ。その前のドラマも、前の前のドラマも思い当たりがあった。このチャンネルでは、すべてなんらかの不祥事によりお蔵入りとなった作品が放送されているのだ。

映画が終わり、今度はアニメが放送された。その次はまたドラマだった。いずれもメディアを騒がせた「お蔵入り作品」ばかりだった。ふと気がつくと、いつの間にか夜が白み始めている。もう空港に向かわなければならない時間だった。彼はテレビをつけっぱなしにして身支度を済ませ、スーツケースを持った。だが、どうしたわけか、彼はテレビを消すことができなかった。ホテルならそれくらい許されると思っていたのかもしれないし、もしかしたらある予感があったのかもしれない。

そしてとうとう、テレビをつけたまま、ドアを開け、部屋から一歩踏み出した。その瞬間、彼の背後で日本語が別の番組の始まりを告げた。

「さあ、今日から……まりました、……っちゃんと……いくんが生放送でお……するニュー……ラエティ、司会はこの私……しま……がさせていただき……」

彼が画面を見ようと振り向いたとき、ドアがけたたましい音を立てて閉まった。そして、しんと静まり返る廊下を彼はふらふらと歩み出した。

「たぶん疲れてたんだ、って考えるのが普通だね。けどさ、ときどき思うんだ、あれはもしかしたら夢じゃなかったんじゃないかって……」と、この話をしてくれた彼は身震いしてみせるのであった。

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異界のテレビ(1)

桃源郷の昔から、人々はたまさか垣間見た異界のありさまを記録に残してきた。今回お伝えする話もその類といえるかもしれない。

私の友人に X という研究者がいる。その彼が国際学会で発表するために、ある小国の首都に滞在していた。学会の最終日、他の研究者との交流ののち、彼はホテルに戻った。帰国の便は翌日朝だったため、そうとう早く出なくてはならない。彼は荷造りと寝支度にとりかかった。

あとはもう寝るだけとなって、彼はこの国にきてから一度もテレビを見ていないのに気がついた。メディアに関する研究をしている彼は、外国に行くと必ずテレビ放送をチェックするが、今回ばかりは忙しくてテレビをつける暇すらなかったのだった。

そこでテレビをつけた。もう深夜だったから、残念なことに現地のテレビ放送はほとんど終わっていた。彼はチャンネルを順に押していった。アメリカの映画やヨーロッパのドラマがときどき画面に現れた。そして、かなりチャンネル番号が進んだところで、NHKの国際放送にでくわした。

しばらく見たのち、彼はさらにチャンネルを押し続けた(「深く潜る」と彼は表現した)。映るのはいわゆる砂嵐ばかりで、もうなにも映らない領域に到達したかのようだった。このまま押していっても、もとの「1」に戻るだけだ、と彼が思い始め、惰性でリモコンのボタンを押していると、不意に日本語が飛び込んできた。

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フキダシのドットたち・・・

私はネットで、友人とメッセージのやり取りを続けていた。

私たちはK-popについて話していたのだが、あるアイドルの新曲の話題になったとき、私はこう言った。

「あれ、一回聴いてもういいかなって。最近の傾向かもしれないけどガチャガチャしててメロディがないんだよな」

こう送信した後、私は彼がこのアイドルの大ファンだったことを思い出した。

すぐに取りつくろう言葉を送ろうとしたが、彼のほうで入力中のマークが出現するのが見えた。フキダシの中で小さいドットの列が薄くなったり濃くなったりしている。

私は彼の返事を待った。あんがい同意見かもしれない、と思ったからだったが、彼はずっと入力中のままだった。

私はしばらく待っていたが、灰色のドットのアニメーションは変わらなかった。なにを書いているのだろうか。私はメッセージを送ろうかと考えたが、そのとき家人に呼ばれて携帯を閉じた。

一時間ほどして、再び携帯を開くと、私は彼の入力中のステイタスが変化していないのに驚いた。もしかしたら、と私は思った。入力の途中で放置しているのかもしれない。

それから私はこのことをすっかり忘れてしまった。二日ばかりのちにふと思い出して、アプリを開くと、彼はまだ入力中なのだった。

やはり彼は怒っていたのだ。それで、とんでもない長編の反論を執筆中なのだ。確かにそんなことをしでかしかねない男だったが、私はこの途方もない空想を打ち消した。

不可解な思いに囚われながら、私は、左から右へ動いているように見えるその小さなドットを見つめていた。

すると、私は奇妙なことに気がついた。それらのドットのアニメーションは、いつもの入力中のものとはどこか違うのだ。

私は目を凝らして、そのドットたちを見つめた。私の老眼の目が欺いたのであってほしいと思うが、それらはドットに似た文字であり、ひたすら罵りの言葉を繰り返していた。

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The Fly

数日前からチュニジアはラマダーンに入つた。ラマダーンと云ふのは月の名前で、此の一ヶ月、ムスリムは断食することになつてゐる。断食と云ふと厳しいやうに感じるが、日が出ていない間は食べることができる。又、日が沈むと人々は外に出て、深夜までカヘェに集まつたり、遊んだりして過ごす。特別な催し物も彼方此方で開催される。だから、ラマダーンは日本の年末年始のやうな娯しい時期でもある。

そんな中、私は、ホテルを出て、数時間調査をして、ホテルに戻つて記録を纏めると云ふ事を数日、繰り返してゐた。調査の間は人と会ふが、ホテルにゐる間は独りだ。別に作業自体は苦にならなかつたが、日に日に孤独が身に沁みてきた。

そんな時私は一匹の蠅に出会つた。其の蝿は、寝台の上で書き物をしている私の手や顔にぴたりと停まつたり、ノォトの上を這ひ回つたりした。私は殺さうと思つて何か叩く物を探したが、新聞紙も雑誌もなかつた。幾度か手で払ふ内に、やがて其れも面倒臭くなつた。暫して、私は蝿が傍の黒の掛布の襞にじつとしがみ付いてゐるのを見た。私はなんとなく友人がやつてきたやうな心持ちになつた。

ラマダーンの間は、日中は何処のカヘェも食堂も閉まつてゐる。朝早いせゐか、人通りも何時もより少なく静かだ。調査に行く為に大通りを歩いてゐると、普段は賑やかさに紛れていただけなのか、矢鱈と蝿が飛び回つてゐるのに気がついた。

飛び交ふ蠅たちは私の顔に頻りにぶつかつてきた。私は微笑みながら歩き続けた。

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せんべろ以上

「二百べろですって?」と私は叫んだ。

「ええ、二百べろが可能なのです」

「なんと酒呑みにやさしいではないですか」 私は思わず興奮してしまった。「なにしろ、失業中の身には千円でもつらいですからね……あ、いや、昔はこれでもせんべろで酔っていた身分でした」

「かつてはずいぶん羽振りが良かったのですね」

「お恥ずかしい話で……で、その二百べろはどこにあるのです」

「なに、すぐそこでですよ……」 そういう彼は私を上野駅に連れていった。「なるほど、上野ですか。確かに安く酔える店がありそうです。で、どんな店なんです」

「まあ、お待ちなさい」と彼は駅の売店でガラスカップの酒を2個買った。200 ml 入りで、200 円。その酒をどうするかと思っていたら、私に1個渡すではないか。「ひとつぐいっとやってください」

私は腹を立てた。「なんだ、その手には乗りませんよ。確かに 200 円かもしれませんが、そんなもんじゃべろべろのべの字にもなりませんよ。5本飲んで、ようやく酔いが回るくらいですよ」

すると彼は「まあ、まあ、私の言うとおりになさい」とスタスタ歩いていくではないか。慌ててついていくと、私たちは中央連絡通路に出た。この通路は、上野駅中央改札口と常磐線、山手線・京浜東北線などを繋ぐ通路だ。

「この中央連絡通路は、日本でいちばん天井が低い通路なのです。しかも、天井から突き出た梁の部分を見てください。黄色いクッションが取り付けられているでしょう。あそこがもっとも天井が低いので、頭をぶつける人が続出するため、あんなふうに保護しているのです」

「それが二百べろとなんの関係があるのです?」

「見ててごらんなさい。ほら、あの人」と彼はひとりの千鳥足の男を指差した。「彼は私たちの仲間ですよ!」 

私が見ていると、その男はふらふらとよろけて、黄色いクッションに頭をぶつけた。「あっ」 私が叫ぶと彼はほほ笑んだ。「大丈夫ですよ。あれはわざとぶつけているのです」

「なんでですか?」

「なんでって、酔いのまわりをよくするためですよ!」 こう話している間に先ほどの千鳥足の男はまた別のクッションに頭をぶつけた。ぶつけるたびに足元がいっそうおぼつかなくなるようだった。

「私のみるところ、あの友人は10回ほど頭をぶつけていますね。二百べろ達成ですよ!」

私はもう我慢できなくなった。もらったカップを開けると一気に飲み干し、天井の低い通路に飛び込んだ。さっそく一回頭をぶつける。

彼が叫んだ。「その調子! 今の感じだとまだ九百べろですね! 二百べろにするためにもっとたくさん頭をぶつけるのです!」

私はいくども頭を打ちつけ、次第に酔いがまわりべろべろになっていった。朦朧とした頭の中で、私はこの中央連絡通路にあの千鳥足の男だけでなく、他にもたくさんの酔漢が足をくねらせながら、頭をぶつけているのを見た。ここは酒場だったのだ!

いつのまにか、私の友人も加わっていた。頭を血まみれにした彼は、上機嫌に笑っていた。「これぞ酒呑み天国だ!」 「そうだ!」 私たちは勢いよく互いに頭をぶつけ、そのまま昏倒した。