苦い文学

真夜中のストリートピアノ

僕たちの街から、ストリートピアノがなくなっちゃったんだ。街の広場にあるそのピアノで僕たちはいつも遊んでたのに。ギャンギャングワングワン叩いたり、ポロンポロンキャンキャン弾いたり、ツタタタタタタンと楽しんだりしてたんだ。

だけど、ある朝、こんなふうな張り紙がしてあったんだ。

「ストリートピアノは、プロのピアニストが無料で弾くためのものです。それ以外の人は汚い手で触らないでください。市長より」

僕たちみんな、がっかりしたんだ。そしたら、大人たちが怒り出したんだ。

「ストリートピアノは、誰でも自由に弾くためのものだ!」

「プロが無料で、だなんて、厚かましいにもほどがある!」

とうとう大人たちが市役所にまでやってきて、大声で叫んだものだから、市長は謝って、この街にストリートピアノがあるとロクなことにならない、ってどこかに持っていってしまったんだ。

それからしばらくして、革命が僕たちの街にもやってきたんだ。

市長は革命軍の仲間になって、ピアノのときに反抗した大人たちを全員捕まえて、その夜、街の広場で全員の頭をかち割ったんだ。ちゃんとドレミの音が聞こえたよ。