私は昔、まだ子どものような考えをしていたころ、自信とか自己肯定感とかについてよく思いを巡らせた。というのも、そうしたものを持っている人は、人生からより良いものを手に入れられると思っていたから。そして、それらが欠乏気味だった私は、やや悲しく思っていた。
そこで、私は、自信のある人の行動や心理をよく観察することにした。また、どうして自分にそれがないのかについても考察した。そして、その結果、驚くべきことが分かった。自信のある人は、そういうふうに生まれついていたか、そういうふうにいられる環境に育ってきたのだった。いっぽう、そうでない人は生まれつきそうか、そうでなくさせる環境に育ってきたのだった。つまり、自信とか自己肯定感とかの有無は、その人間にはあまり関係がないことのようなのだった。
だから、自己肯定感が何かを「引き寄せ」たとしても、それは、いろいろな条件が重なって、その人がたまたま自己肯定感が高くあったからにすぎない。また自己肯定感の欠如が何かを「引き寄せ」なかったとしても、それは、やはりいろいろな条件が重なって、その人がたまたまそういう人となったからにすぎない。引き寄せは、ただ本人の意思とは関係なく、自動的に発生するようなのだった。
それよりも、と私は思った。誰でも常に引き寄せることができるものや、自信や自己肯定感の有無に関係なくめったに引き寄せることができないもののほうが重要ではないか、と。
そんなわけで、それ以来、私は自信や自己肯定感について考えるのをやめた。そのおかげで、少なくとも私は、自己啓発本に無駄な出費をせずに済んでいる。自己肯定感が私の人生を変えたのだ。