苦い文学

ベルベル語の調査とその後(6)

再び、S さんと会い、ベルベル語の調査をしたのは、その夏、つまり 2025 年 8 月のことだ。このときは、8 月 2 日から 12 日までの 11 日間連続して調査を行うことができた。はじめの 3 日間は、うるさいカフェで調査を行わざるをえなかったため、内心不安であった。だが、たまたまそのとき私は少し高いホテルに移った。そこには会議室があり、相談したら無料で使わせてくれた。これですべての問題が解決した。会議室を一歩出ればトイレがあった。

それに夏だ。寒いどころか、クーラーなしでは過ごせないくらいだ。ある日など私はクーラーを消すのを忘れて出て行ってしまい、翌日「あれ、なぜかクーラーがついているぞ」と訝しげにするホテルのスタッフを前にして、気まずい思いをした。

3 月と 8 月の調査は合わせて 21 日間にすぎない。もちろん、これっぱかしの期間で、言語の全体像が掴めるわけがない。だが、8 月は動詞活用を重点的に調べたので、ある程度の材料は揃った。そこで、私は動詞の活用をテーマに発表の応募をし、11 月にポスター発表を行うことができた。さらに、この発表を発展させた論文も書いた(まだ出ていない)。

そのいっぽう、この 3 週間の経験から、チュニジアのベルベル語をちゃんと調べるには、この調子では不十分だということも、だんだんわかってきた。

(写真:猫)