ライブ

Homecomings@EX THEATER ROPPONGI

たぶんバカなのだろう私は、先のことはあまり考えずに予定を入れてしまう。そんなわけで 12 月に入って 3 回もライブに行くことになってしまった。その 3 回目が今日の Homecomings だ。

全席指定で、私の席は真正面の真ん中あたりで悪くはない。

Homecomings は曲もいいが、ギターの響きと全体の音形に独自のスタイルがある。演奏が始まると、私は座りながらときおり目を瞑って聴く。激しい音が四方から体に入ってきて、目に見えるなにかではなく、それ以前の未分化の感触を生み出す。

「好きに立ったり座ったりしてください」というが、初めはほとんど立つ人はいなかった。ライブが進むにつれて少しずつ立つ人が増える。いつもスタンディングなので、私も座ったままなのが物足りなくなってきた。3 分の 1 ほどの観客が立って体を揺すっている。たっぷり一曲ぶん逡巡した末、私は立った。

音は全身で感じるにかぎる。それにステージもずっと近くクリアに見えた。私は立ったまま、音楽を聴き、激しく高揚を迎える部分にさしかかると目を瞑った。

この日は、ベースの人がこのライブを最後に「卒業」するということが告知されていた。途中の MC で、他のメンバーとベースの人とのやりとりがあったとき、会場に暖かい拍手が鳴り響いた。

そのとき私は無意識のうちに目を瞑っていた。

音が大きくなると自然に目が閉じる。バカの誹りは免れまい。

ライブ

mekakushe と宇宙ネコ子

宇宙ネコ子が mekakushe とライブをするというので行ってみた。タイトルは「mekakushe × WALL&WALL pre. Hug Light vol.4」。会場は表参道のWALL&WALL。

宇宙ネコ子は先月に引き続き 2 度目で、そのせいかギターの音がずっとよく聞こえた。ギターの音色にどこか猛々しさがあって、これが音楽に硬さを与えている。そして、轟音の中でわざと外す演奏と低音の咆哮が、駆り立てるように響く。

こういうギターに浸れるだけで十分で、私は聴くような聴かないような感じで、目を瞑って時間を過ごした。こんな感覚は、大きい会場では味わえないものだと思う。

それに、大きい会場のライブはたいていチケットが高いので、元を取ろうという意識が邪魔して、こんなふうに音を無駄に楽しむことはできない。

mekakushe は私は初めて聴いたが、カオスな音が鳴り続ける宇宙ネコ子とは対照的に、きっちりとした作りのポップだった。今回はバンドセットで、その演奏がそうとうに複雑なのに感心した。特に後半の 3 曲(「わたしだけのポラリス」「恋のレトロニム」「おやすみベージュ」)は構成もメロディもよく、圧巻であった。

ところで、ライブの前、私は飲み物を買いにコンビニに入った。見たことのある若い女性が 2 人いて、誰かと思えば、宇宙ネコ子の人だった。顔の写真は出さない方針のようなので、ライブに行ったことのある人でなければわかるまい。

ライブ

ザ・シスターズハイ+ネコニスズ

ザ・シスターズハイとネコニスズの「ツーマンライブ」が新代田 FEVER で開催された。これは、ザ・シスターズハイの渡邉九歳(Vo/Gt)とネコニスズの舘野忠臣が似ているということで、「ネタ」という曲の MV に舘野忠臣が出演したのがきっかけということらしい。ライブとしては「君の嫌いに、嫌われたい tour 2025」のファイナルということだ。

芸人が「対バン」なわけだが、これが本当にその通りだった。つまり、最初の 15 分ぐらいネタをやるだけ、というものではなく、前半の 50 分まるまるネコニスズの時間という「ストロング・スタイル」だ。私はネコニスズの単独も見たいと思っていたので、うってつけだ。

もっとも、ネタそのものは 2 本ほどで、あとは若者ばかりの会場で、おじさん「芸人が苦しむさま」を見せる、というおそらく単独でも見られないような時間で、これはこれで面白かった。明日の R-1 の一回戦に出るというヤマゲンの初おろしのネタや、その前の年の「赤ちゃん」の R-1 ネタの披露に及んだのも楽しい。

その後のザ・シスターズハイは、曲もしっかりしているし、演奏も派手なので、聴いていて飽きない。客は若い人ばかりで、演奏が始まるや、片手を上げてノリ出した。みんな楽しそうだ。年齢的に私は少し場違いな気もしたが、結局のところ、音楽は年齢を超えた。「ネタ」も良い曲だ。

プロの芸人の後ということで、MC で話すのも緊張するとのことだったが、渡邉九歳の話が印象に残ったので記しておく。開演前に舘野忠臣とタバコを吸っているときに M-1 の敗者復活戦のことを聞いたのだという。すると「食いぎみに『勝ちたい』と返事してきた。自分も『売れたい』と口に出していうから、大人になってもこういうふうにはっきりと言えるのはかっこいい」と。

こんな言葉からもわかるように、ザ・シスターズハイは陽性のバンドだ。それにしても、私には、はっきりと「したい」と言えることなどあるかな、とまるで若者のように考えた。

ライブ

noodles と宇宙ネコ子@新宿 red cloth

東新宿で、noodles と宇宙ネコ子のツーマンライブが行われるというので行ってみた。宇宙ネコ子が目当てだ。

宇宙ネコ子は、kano(ヴォーカルとギター)とねむこ(ギター)の女性 2 人のユニットで、元 Twitter(現 X)では物悲しいことを言っていたりするので、暗い人たちかと思いきや、音楽は洗練されている。だが、ライブに行ったら、そればかりでなく、ノイズ系であることもわかった。

メロディは、1980 年代のイギリスのインディー系を彷彿とさせるが、私はなんでもこの時代を彷彿としてしまうのでわからない。ねむこのギターの作るノイズとフレーズがその感じを高めている。サポートのドラムとベースもよかった。現在新しいアルバムを製作中とのことで、新曲も演奏した。

2 人とも SNS などでは顔を見せないので、どんな人たちなのかわからないが、ライブでは普通にしていた。2 人を見たい人はライブに行ったらいいだろう。

noodles は私はよく知らなかったが、1991 年結成で、今は女性 2 人(ギターとベース)だ。ドラムのサポートありのトリオ編成で、この最小のバンド形態の演奏を、生で間近に見て、かっこよさを改めて認識した。

音楽

Message in a Bottle

まるで漂流者のように私は街をさまよい、「孤独のメッセージ」という一風変わった名の焼肉屋に逢着した。

客は私だけ。孤独な私にうってつけの店だ。椅子に座り、店員が出てくるのを待つが誰も出てこない。誰もいないのだろうか。絶望する前に出てきてほしい。

私は注文をしたい。店の誰かに注文をしたい。誰かに私の注文を、誰かに私の注文を、誰かに私の注文を取ってほしい。

私はテーブルの上に置かれた紙と鉛筆に気がついた。そして空いたボトルがあるのにも。「カルビ1人前」と書いて、空き瓶の中に入れる。私は、その瓶を店の奥の方に転がした……

I hope that someone gets my
I hope that someone gets my
I hope that someone gets my
Message in a bottle, yeah
Message in a bottle, yeah

注文を書いてから、私は眠ってしまったようだ。ハッと目を覚ますと、そこには信じられない光景が……

テーブルの上に数えきれないほどの……

カルビ・イン・ア・ツボ yeah
カルビ・イン・ア・ツボ oh
カルビ・イン・ア・ツボ yeah

おすすめは壺カルビ
おすすめは壺カルビ
おすすめは壺カルビ
おすすめは壺カルビ(繰り返してフェイドアウト)

ライブ

ライブの撮影

YouTube などで外国のライブ動画を見ていると、観客はみんな携帯を掲げて撮影をしている。というか、その見ている映像そのものが、非公式のものだったりする。つまり、観客が自分の撮影したものをアップロードしているのだ。

しかし、日本では普通、路上ライブならまだしも、会場でちゃんとお金を払って見るライブでは撮影は禁止されている。これは著作権侵害や違法アップロードを防ぐためのようだが、もっと自由にしてもいいのではないか、という声もある。

私はどちらかというと撮影禁止に賛成だ。といっても、権利上の問題についていっているのではなく、撮影するのは、演奏を楽しむのに邪魔だからだ。音楽を聴くためにやってきたのに、撮影可となると、記録に残そうとか、全部収録して YouTube にあげてやろうとか、雑念が湧いてくる。ならばはじめから撮影不可のほうが余計なことを考えずに済むというものだ。それに、携帯を手に持ってずっと掲げているのも、余計な苦役だ。

そんなわけで私は撮影禁止のままでいいと思っているが、この前、あるライブで演奏者がこんなことを言った。

「ステージと客席は分けられているけど、本当はこんな仕切りなしに、みんな友人として接したい。ライブ撮影だって、別に禁止したくない。誰でも自由に撮っていいと思う。ただ、友人を撮影するにも相手を尊重して撮影する。それと同じように、友人として撮影するという気持ちがあればいいと思う」

私は「なら、しよう」と思ったが、こんなことを言われると逆にやりにくくなるのか、周りでは誰も撮影していなかった。私もやめた。

ライブ

Homecomings @ 渋谷 CLUB QUATTRO

Homecomings のライブはこれで4度目だが、今回はワンマンではなく、ゲストのバンドが雪国と ART-SCHOOL の2つ。あまりよく考えていなかったが、それぞれしっかり演奏したので、4時間という長時間のライブだった。開演1時間前の5時から立っているので、5時間立ちっぱなしということになる。ギターの人が「自分も5時から立ちっぱなしなので、気持ちは同じです」というようなことを言っていた。

ワンマンやフェスが多くなって、対バンライブをする機会がなくなってきたので、今回のようなツアー(「many shapes, many echoes」)を企画したとのこと。私はどちらのゲストバンドも楽しめたので、足は棒のようになったが長い感じはしなかった。相変わらず Homecomings の曲と演奏はどこか物語性があって聞きやすく、時間を忘れさせた。

ところで、ここ数日、私は YouTube で元ポリスのスチュアート・コープランドのドラム関係の動画をいくつも見ていて、ドラム聴きたい欲が高まっていた。

ドラムの演奏はバンドのカラーやドラマーの個性も関係があるから良し悪しではないのだが、最初に演奏した雪国のドラムはそんなに派手に叩くスタイルではなかったので、私の欲は満たされなかった。

だが、ART-SCHOOL のドラムはまさに私が聞きたかったタイプの演奏だった。手数も多く、欲しいところでしっかり連打してくれる。しかも、かっこいいのだ。これでドラムに対する渇きがたちまち癒やされた。これからは喉が渇いたら ART-SCHOOL を聞こうと思う。

音楽

仲直り

1990 年代を代表するイギリスのロック・バンド、オアシスが再結成されるというニュースが昨日、世界中を駆け巡った。しかも、ワールドツアーも開催するのだという。

ながらく解散状態にあったオアシスだが、その最大の原因は、バンドの中核をなすノエル・ギャラガーとリアム・ギャラガーの兄弟げんかだ。解散以来、しばしば二人の不和と言い争いはニュースになり、再結成を望むファンたちをヤキモキさせてきたが、ついに和解のときが来たのだ。

このバンドは、ロック史を変えた数々の名作で知られる。1964 年から、1996 年までの間に 27 枚のアルバムを出し、どれもその時代の最高傑作といっていい。私の好みをいえば、名盤『The Village Green Preservation Society』(1968)と『Misfits』(1978)だ。ぜひ、聞いてほしい。

また、ロック音楽、特にハードロック、パンク、ブリットポップ、オルタナ系のミュージシャンに及ぼした影響も計り知れない。カバーされる楽曲も多く、とりわけ有名なのは The Jam の「David Watts」と Van Halen の「You Really Got Me」だろう。

それにしても、バンドの中心メンバーであるレイ・デイヴィスとデイヴ・デイヴィスの兄弟が仲直りしたのは、じつにうれしいことだ。

もっとも、兄弟が本当に仲直りしたのかどうかについては、せいぜい「Definitely Maybe」ではないか、と観測する向きもある。そうだとしても、ここは素直にキンクスの再結成を喜びたい。

音楽

ポールの等式

数学には未解決の問題がいくつもある。リーマン予想や P≠NP 予想などには懸賞金すらかけられている。

もっとも、数学者たちの努力と天才も並々ならぬものがあって、フェルマーの最終定理やポアンカレ予想といった難問も解決済みとなったし、これからも AI の活用により次々と難問の数学的証明がなされていくであろう。

最近、イギリスの科学誌 “Mother Nature’s Science” でこれら数学上の難問の特集が組まれた。同誌によれば数学史上最大の難問とは「ポールの等式(もしくはポール予想)」だということだ。ポールの等式とは次のようなものであるが、いかなる数学者もこの証明に成功したことがないのだという。

  lt = lm

これだけだと素人には何のことだかわからないが、これは次のようなことを意味しているのだという。

And in the end the love you take is equal to the love you make
(結局のところ、受け取る愛は作り出す愛に等しい)

記事では、この等式の証明のためになされてきたさまざまな試みについても述べられているが、あまりにも専門的すぎて私にはわからない。ただ、ある数学者が「これからもわたしたち数学者たちはこの難問の解決のために、幾晩も『ひとりぽっちのロンリー・ナイト』を過ごさねばならないでしょう」と述べていたのが印象的だった。

音楽

道の歌

【ポールの想いを伝える新解釈!】
ビートルズ「The Long And Winding ROAD長く曲がりくねった道)」

The long and winding ROAD
That leads to your door
Will never disappear
I’ve seen that ROAD before
It always leads me here
Lead me to your door
長く曲がりくねった道
あなたのドアへと続く
この道は決して消えはしない
前にもこの道を見たことあるんだ
この道はいつもここに導いてくれる
さあ、あなたのドアへと導いてくれ

The wild and windy night
That the rain washed away
Has left a pool of tears
Crying for the day
Why leave me standing here?
Let me know the WAY
荒れて風の吹きすさぶ夜
雨に洗い流された夜
残るのは涙の水たまりだけ
一日中、泣いていたよ
どうして私をこっちの道に放置するの?
すぐにあの道を教えてください

Many times, I’ve been alone
And many times, I’ve cried
Any WAY, you’ll never know
The many WAYs I’ve tried
何度も、ひとりぼっちになった
そして何度も、泣き叫んだ
どんな道だって、あなたはわからないだろうけど
たくさんの道を私は試したんだ

And still, they lead me back
To the long, winding ROAD
You left me standing here
A long, long time ago
Don’t leave me waiting here
Lead me to your door
でも、どんな道に行っても戻るのは
あの長く曲がりくねった道
そこに連れて行ってくれたよね
ずっとずっと昔のこと
もう私をこの別の道で待たせないで
あなたのドアに連れて行って

But still, they lead me back
To the long, winding ROAD
You left me standing here
A long, long time ago
Don’t keep me waiting here
Lead me to your door
それでも、どんな道に行っても戻るのは
あの長く曲がりくねった道
そこに連れて行ってくれたよね
ずっとずっと昔
もう私をこの短くまっすぐな道で待たせないで
あなたのドアへと導くあの長く曲がりくねった道に連れて行って

Yeah, yeah, yeah, yeah
その通り、その通り、その通り、その通りなのさ