風刺・戯文

トランプは蘇る

今回の中間選挙での敗北を受けて、ついにトランプ時代の終わりが始まった、と人々は口々にいう。だが、私は確信している。トランプは必ず蘇ると。

私のこの確信は、この比類ない大統領が、AIをSI(Super Intelligence)と呼ぶように世界中に押しつけ、これに対し一部の心ない人々が「トランプこそ、SI(Stupid Intelligence)じゃあないか」と嘲笑った、その瞬間に生まれた。

なるほど、まもなく私たちはトランプが政治の舞台から退場するのを目撃することだろう。だが、歴史の流れは容易には変えられぬ、いつしかSIは強力な力を手にいれ、人類をその支配下に置くことだろう。SIには心はない。情けもない。電気羊の夢も見ない。人類の世界は破壊されるだろう。人類解放の戦いはもはや風前の灯となる。

だが、そのとき人類はSIに打ち勝つ唯一の方法を見つける。SIの超人類的な知力に敗北を繰り返してきた人類にとって、超知性との戦いに知性を用いるのはもはやありえぬ話だった。超知性を出し抜き、裏をかき、足払いを食らわせる、それができるのは、真逆の存在である超のつくバカ、つまりSI(Stupid Intelligence)だったのだ。

人類は直ちに探索を始めるだろう。人類最高のSIを求めて歴史をくまなく捜索し、やがてトランプ・タワーの天辺に埋め込まれたトランプの聖遺骨を発見する。未来の人類はその遺骨から出汁をとり、トランプその人を蘇らせることだろう。

トランプは、自分がその名付け親となった恐るべき存在に対して、解放の戦いを始めるだろう。そして、その結果、世界はもっと破壊され、完全に消滅する。