散文

新しいアトラクション

このあいだニュースで、ディズニーランドで一日遊んだら、途方もない金額になる、と言っていた。しかも、お金持ちにしか買えない高価なプレミアムチケットがあって、どんなアトラクションも待ち時間なく乗ることができるのだという。そんなものを買えない一般人にとっては夢の国になったのだ。普通の家庭の子どもたちが行けないようでは、将来的に入場者数も先細りになるばかりでは、という意見もあった。しかし、日本の子どもはいずれゼロになるのだから、ディズニーとしても早々に見切りをつけたということだろう。

このまま富裕層だけがディズニーランドに入れるということになれば、どんなことが起きるだろうか。私たち貧困層の中にもディズニーランドに行きたいという人はいるはずだ。そうした人たちは、おそらくディズニーランドに密入国することになろう。

これは楽しみばかりでなく実益もある。というのも、ディズニーランドのほうが日本よりもはるかに稼げるから。給与も日本よりも高いし、富裕層からチップも降り注ぐしで、いつしかシンデレラ城の地下にある縫製工場や、イッツ・ア・スモールワールドの奥のキッチンは不法キャストで溢れかえる。

オリエンタルランド共和国政府だって手をこまねいているわけではない。不法就労者の逮捕に精を出すだろうし、国境や海岸では、真夜中にミッキー・マウスやミニーたちが不審な越境者をライフルで撃つ音が聞こえる。

そして、ディズニーランドの一区画に巨大な収容所が建設されることになる。そこで不法キャストたちは集団生活を送りながら、強制送還のときを待つのだ。このアトラクションの待ち時間がどれくらいかはわからない。