散文

AIを使いこなす

AI関係の高額なセミナーの広告を見ると、こんなことが書いてある。

「AIを使ってみたいけど何からしていいかわからない方必見!」

AIに聞けばいいのでは、と思う。また、こんな広告もある。

「まだ間に合う! 話題のAIをこれから学ぶ方のための、無料オンライン入門セミナーを開催!」

間に合うとは? 無料セミナーの申し込みについてかもしれないが、ここではAIに関する知識や技術について焦らせているようにも読める。「時代遅れになる前に!」というわけだ。

なぜ間に合わないといけないのか。それはわかりきっている。

「AIに仕事を奪われる側ではなく、AIを使いこなす側になりたい方はすぐに!」

これは、どの広告にも書いてあるような言葉だが、AIを学ばないと無職になるというのだ。だが、AIを使いこなしても無職になる可能性は考慮に入れられていないようだ。

もうひとつおかしな点がある。仕事を奪うのはAIではない。雇用主が奪うのだ。雇用主がAIを使いこなした結果、経営合理化なり人員削減なりが成功し、被雇用者の職が奪われたのだ。もっとも、AIについてまったく知らなくても、首切りは簡単だが。

それはともかく、人の仕事を奪えるということは、本当にAIを使いこなしているということになるのだろうか。逆に、AIを使うことによって、被雇用者の仕事を守り、さらに、他の多くの人々に仕事を作ることこそが、本当にAIを使いこなすということなのではないだろうか。

AIによって、今まで雇えなかった人にどんな仕事を作れるか。仕事を奪う奪われるで考えるよりも、ずっと有意義なテーマだと思う。

とはいえ、こんなテーマの高額セミナーの広告が回ってきたら、それはそれで要注意だ。