風刺・戯文

日本に学ぼう

この度、トルコ、イラク、イランなどの政府関係者が日本を訪問し、川口市を視察しました。どの国も、国内のクルド人をめぐる問題に悩まされてきた国です。

「私たちは日本で実に効果的なクルド人迫害が行われていると聞いてやってきました」と訪問者たちは語ります。「私たちはクルド人としばしば武力による対立を経験してきましたが、それでもクルド人勢力を消滅させることはできませんでした。ところが、日本ではいかなる武器もなしにクルド人を追い出すことに成功しつつあるというではないですか」

街でさっそく、クルド人に対するヘイトスピーチをする市民に出会った訪問者たち。通訳から内容を聞いて感心します。「こんなイヤがらせの仕方があったのですか!」

また、クルド人を追い出そうと集った市民の活動にも大いに関心を惹かれた様子です。

(訪問者)「日本では市民、行政、マスコミが一丸となってクルド人をいじめているのに感銘を受けました。これぞ民主主義のあるべき姿です」

訪問者たちは「クルド人の子どもを標的にするなど、日本人のすばらしい陰湿さを学ぶことができたのは大きな収穫でした」と、満足げにそれぞれの国に帰ったということです。

風刺・戯文

素人は黙ってろ

素人はしょせんプロには敵わないのです。まず、経験と知識の差があります。プロは長年の訓練や実践を通じて、素人がちょっとやそっとでは追いつけない経験と知識を身につけているのです。

それに、プロというものは必ず結果を出しています。だからプロといえるのです。一方、素人は結果など出せませんね。だから、プロではないのです。

さらに大事なことをいえば、プロと素人では責任の重みが違うのです。プロには間違いが許されません。ですが、素人はたいてい間違います。ひどいのになると、間違っても気づきもしない。いや、もちろん、プロだって人間です。間違うときもありますよ。ですが、そんな時でも徹底したリスク管理能力があるおかげで、被害を最低限に食い止めることができるんです。

だから、素人がプロに対して意見を言うのはもう本当に間違っています。素人にはそもそも意見を言う資格すらないんです。

それでです。将軍とはなんですか? そうです。戦争のプロです。その将軍が、みなさんに、たった10万人の犠牲で、戦争に勝利するといっているんです。素人は文句など言わずに、黙って前線に行ったらどうですか。

風刺・戯文

反日外国人の野望

某反日国の秘密研究所に全身傷だらけの男が虫の息で担ぎ込まれてきた。所長が駆けつけると、男は手に握った毛の塊を差し出し、息絶えた。

「つ、ついに手に入れたか! わしらはお前の命を無駄にはせん!」

所長は、研究員たちをただちに招集した。その研究所では、日本を混乱に陥れるための恐ろしい研究が進められていたのだった。所長は、スパイが命を賭して奪ってきたその毛の塊を解析し、遺伝子操作によって、恐怖の「作品」をついに完成させた。

徹夜のせいで青ざめた顔で所長はテレビをつけた。日本の総裁選の様子が映し出される。所長はその成り行きを見ながら、込み上げる笑いを抑えることができなかった。

「フハハ、ムハ、ウハハハハハハ!」

(閃光がきらめき、おどろおどろしい音楽が鳴る)

巨大な獣が荒れ野に出現する。熊のように黒く、鹿のような鋭い角が生えている。目を憎しみにランランと輝かせながら、地を揺るがすような咆哮を上げる。

所長「奈良の鹿の毛から得た遺伝子を、獰猛な熊に注入することで生まれたモンスターよ、行け! 射殺しても非国民、射殺しなくても非国民、暴れ回って日本人を困らせるのだ! フハハハハハハ!」

風刺・戯文

鹿蹴り

武闘派で知られる政治家の発言が波紋を引き起こしている。外国人が鹿を蹴ったのを見たというのだ。ある人はこれは本当だという。しかし、別の人は疑っている。

だが、この政治家が嘘をついているとは考えにくい。もちろん、人間だから、発言のすべて、つまり100パーセント真実というわけではなかろう。だが、10割とはいかぬまでも「大陸から8割」程度には真実を語っているものと思われる。

ところが、テレビなどの取材によると、鹿の周辺にいる人々は「外国人が鹿を蹴っているのは見たことがない」と言っているというのだ。すべての人に取材したわけではないだろうから、もしかしたら、鹿を蹴った外国人を目撃した人には出会わなかったのかもしれない。しかし、それでも、鹿を蹴っている外国人の目撃例が報告されていないことは重視すべきだろう。

とすると、この政治家が嘘をついているのだろうか? それともテレビ報道がデタラメなのだろうか?

ここで私は鋭い知性を働かせ、このどちらもが真でありうる唯一の真実を突き止めた。

まず真実を述べよう。それは「外国人は鹿を蹴った」だ。とすると「蹴っているのを見たことがない」と言っている人々は嘘つきなのだろうか?

いや、この証言も正しい。なぜなら、外国人の蹴りは、目にも見えぬほどの速さで繰り出されたからだ。その素早い蹴りを見抜けたのが、かの武闘派の政治家のみだったというのも当然といえば当然だ。鹿ファーストで考えるならば、政治家などやめて鹿の監視係にぜひ就任してほしい。

風刺・戯文

ブラックホール人

私たちの市で博士と呼ばれている人が、ブラックホールを発見したと、市役所の前で発表した。藪から棒に星の世界へのロマンを掻き立てられた市民は博士を取り囲み、口々に質問した。どこに? どうやって?

「ご覧にいれましょう」

博士は市民を引き連れて、市役所の近くにある公園に向かった。そして、公園の入り口にあるポストの前に立つと、こう告げた。

「これがブラックホールなのです。何年にも渡り、このポストを観測してきた結果、その結論に達したのです」

市民はこう尋ねずにはいられなかった。「どうしてわかったのですか?」「エビデンスを示せ!」

「その証拠はこれです」と博士は手帳の1ページをを見せた。そこには日付が並べられていた。「ここに書かれている日付は、私がこのポストに手紙を投函した日です。そして、その手紙はどれも届かなかったのです! つまり、このポストの中に入ったら最後、どんなものすら外に出てくることは不可能なのです。そんなことを起こしうるのは、全宇宙でブラックホールだけです!」

だれもが博士の慧眼に感嘆し、興奮して叫んだ。「こんな田舎にそんな大したものがあるとは!」「市の誇りだ!」

ちょうどその様子を見ていた郵便配達員、大急ぎで郵便局に戻ると、郵便局長に公園の「ブラックホール」のことを話し、こんな告白をした。

「もうしわけありません、配達を終わらせることができず、何通もの手紙を勝手に捨てていました!」 

……結局、局長はいろいろな事情から、配達員の「犯罪」を隠蔽せざるをえなかった。それで、ブラックホールという嘘が1日でも長く続くように、今では局長は、誰かが来るたびに、ポストに仕掛けたマイクでこんなふうに話しかけている。

「聞こえますか……聞こえますか……私はブラックホール人……」

風刺・戯文

痩せすぎ問題

現代の日本人女性は「貧困国レベル」に痩せすぎているとの報道にショックを受けた日本社会で、新たな動きが生まれているようです。特派員のリック・オルターゴットが報じます。

「私たち日本人男性はこの現状に危機感を抱いています」と結成されたばかりの女性支援団体の代表は語ります。

若い女性の低体重の問題は日本社会で取り組まねばならないことだと、この代表は強調しています。

「なぜなら、若い女性の健康問題は、日本人の少子化の問題に直結しているからです。私たち国を愛する日本人男性は、少子化の解決のために若い女性の参画が不可欠だと確信しているのです」

代表はそのための解決策を提案しています。

「これをみてください」

(代表が丸い物体を差し出す)どうやらの石の人形のようですね。これはなんでしょうか。

「縄文時代から出てきた、ふくよかな女性の土偶です。私たちはこれを日本中の若い女性にプレゼントすることで、女性の意識を変えようと考えています。より効果を高めるために、日本各地のパワースポットにも埋める予定です」

この代表の脳も痩せすぎているのではないか、との印象を受けました。以上、リック・オルターゴットでした。

風刺・戯文

ホトトギス作戦

悪いこといわないから、日本人はアメリカ車を買ったほうがいい。それから、道もどんどん広くしたほうがいい。なぜなら「日本の道は狭いので、アメリカ車は適していない」というみえすいた言い訳ほど、アメリカ人をイラつかせるものはないからだ。

さもなければ、アメリカは、お得意の実力行使にうってでることだろう。日本の道を広くするために、日本の大都市を絨毯爆撃する作戦、コードネーム「ホトトギス」だ。「狭いなら広くしてやるホトトギス」というわけだ。アメリカ人は戦争の前にちゃんと相手の国を研究するといわれている。

攻撃などそんなバカな、と否定する人もいるかもしれない。だが、それは、ホワイトハウスが「皇居の地下に核爆弾製造施設がある証拠を掴んだ」と言い出さない場合だけだ。そして、そんなファクトは核爆弾よりも容易に製造できるのだ。

かくして我が国は破壊され、その焦土の上を、もう全部が道だとばかりにアメリカ車だけがゆうゆうと走ることになる。日本車は禁止だ。日本車愛好家は、みなテロ罪で逮捕され、グアンタナモに送られるだろう。

ときどき市民が日本車シンパの容疑で連行される。アメリカの手先になった日本人にいじめられながら、トヨタやホンダのエンブレムを踏まされるはずだ。

風刺・戯文

監視役の選手

プロサッカーでもプロ野球でもいいのだが、あるチームに「選手がたるんでいないか監視するために、レギュラー入りした選手」がいたとしたらどうだろうか。その選手は、チームでプレーするのが目的ではないのだ。試合の間中、チームの他の選手が、気を抜いていないか、あくびをしていないか、ぼんやりしていないか目を光らせていて、もしそうした選手を見かけたら、試合中のどんな場面でもおかまいなく、急行して制裁を加えるのだ。

試合を見ている観客は「私たちはお金を払ってこのチームを応援しているのだから、怠慢プレーなど許せない」とこの選手に大喜びだ。だが、同時に、こんなことも考えずにはいられない。

「この監視役の選手の代わりに、もっと有能な選手を入れれば、試合が盛り上がるのに」

確かに試合は動きに欠けて少し面白くないのだ。すると、ここで監督が立ち上がり、選手交代の指示を出す。観客たちは「そうだ、ここでスター選手に交代だ!」と湧くが、こんなアナウンスが聞こえてくるのだ。

「〇〇選手に変わりまして、監視、〇〇選手」

なんと、監視役が増えたのだ。つまり、限られたレギュラーメンバーに、プレーを目的としない選手が 2 人入ることになる。ますます試合はつまらなくなる。

だが、監督はそんなことおかまいなしのようだ。それからも、次々と交代を指示し、その度に監視役が増えていく。そして、ついに試合に出ている選手全員が監視役になってしまう。

こんなつまらない試合はない、というかもう試合ですらない。なにしろいるのは、監視だけができるが、プレーはいっさいできない「選手」なのだから。ただお互いに監視し合うだけ。観客たちもみんないなくなってしまう。

思うに「議員の居眠りを許さない」ことを公約に掲げる議員というのは、この監視役のようなものだ。こんな議員がますます増えていったら、日本の政治はよくなるどころか、完全に止まってしまうのは間違いない。

そうなったら、我々は不安すぎて、居眠りどころではなくなるはずだ。

風刺・戯文

日本人ファースト経済

我が国は日本人ファーストの国になった。なんと素晴らしいことだろうか。

日本人ファースト党はさっそく日本人ファースト政策を打ち出した。日本人だけに毎月、給付金を支給するというのだ。その名も日本人ファースト給付金。なんと200万円だ! ベーシックインカムにもほどがある、とネットでは大騒ぎ。

なんでそんなことが可能なのだろうか? 日本人ファースト党の説明によれば、これが本当の私たちの給料なのだそうだ。つまり、それだけ外国人と反日勢力が私たちから悪辣にも奪い取っていたのだ! それを日本人ファースト党が「取り戻した」ときたからたまらない。

私たちは毎月の200万円でなにをしようかともう夢中で考える。大きなテレビを買おう! 高級レストランでパーティだ! 札束で反日外国人のほっぺを叩いてやろう! 毎日遊んでたって使いきれない……私たちはついに労働と貧困から解放されたのだ。

そして、給付金の詳細が発表された。それはこんなものだった。

・日本人ファースト給付金200万円は本当の日本人だけに給付されます。
・日本人ファースト給付金は、日本人ファーストのための給付金です。
・日本人ファースト給付金は、日本人ファーストではない用途に用いてはいけません。
・日本人ファースト給付金が使えるのは、日本人ファースト党政府が認めた日本人ファースト企業の日本人ファースト認定印のある商品の購入だけです(認定商品の種類は現在50点ですが、これからどんどん増えていきます)。
・日本人ファースト給付金は、日本人ファーストを完全に実現するために、クーポンで配布されます。

目下のところ、このクーポン200万円分あれば、闇市で中国産のサツマイモが1本買える。

風刺・戯文

奴隷を守ろう

奴隷国家の政治家たちはみんな奴隷の所有者で、生活はなんでも奴隷頼みなんだ。だけど、最近どうも奴隷たちの元気がないよ。働いてくれないし、ぶうぶう文句ばっかり言っててさ。子どもだって産まなくなっちゃった。

「我が国の奴隷力は低下するいっぽうだ!」と政治家たちは大慌て。「こんなに奴隷たちにとって美しい国はないのにどうしてこんなことになったのだろうか?」

「きっと奴隷たちに反乱をそそのかす輩がいるのだ!」と与党の政治家が怒れば、野党の政治家はこうやり返したよ。「政府の背後に、奴隷を減らして我々を困らせようとする奴らがいるのだ!」

ちょうど選挙の季節になったんだ。選挙の争点はもちろん奴隷政策。みんな口々に叫んで回る。

「奴隷を元気に!」
「奴隷が子どもを産みやすい社会をつくります!」
「奴隷に手厚く2万円を支給します!」
「我が党は、奴隷の消費税を廃止します!」
「壊れゆく奴隷制度を守るため、奴隷ファーストの政治家を国会に送り込みましょう!」

奴隷たちには選挙権なんてなかったけれど、政治家たちの言葉を聞いてとてもうれしかったんだ。この国はなんて素晴らしいんだろう。どの政治家も自分たちのことを考えてくれる。自由なんていらないね。