風刺・戯文

反日外国人の野望

某反日国の秘密研究所に全身傷だらけの男が虫の息で担ぎ込まれてきた。所長が駆けつけると、男は手に握った毛の塊を差し出し、息絶えた。

「つ、ついに手に入れたか! わしらはお前の命を無駄にはせん!」

所長は、研究員たちをただちに招集した。その研究所では、日本を混乱に陥れるための恐ろしい研究が進められていたのだった。所長は、スパイが命を賭して奪ってきたその毛の塊を解析し、遺伝子操作によって、恐怖の「作品」をついに完成させた。

徹夜のせいで青ざめた顔で所長はテレビをつけた。日本の総裁選の様子が映し出される。所長はその成り行きを見ながら、込み上げる笑いを抑えることができなかった。

「フハハ、ムハ、ウハハハハハハ!」

(閃光がきらめき、おどろおどろしい音楽が鳴る)

巨大な獣が荒れ野に出現する。熊のように黒く、鹿のような鋭い角が生えている。目を憎しみにランランと輝かせながら、地を揺るがすような咆哮を上げる。

所長「奈良の鹿の毛から得た遺伝子を、獰猛な熊に注入することで生まれたモンスターよ、行け! 射殺しても非国民、射殺しなくても非国民、暴れ回って日本人を困らせるのだ! フハハハハハハ!」

苦い文学

アウシュヴィッツ訪問(6)

館内に入場してそのまま歩いていくと、奥の突き当たりにベンチの並ぶ待合所がある。電光掲示板があり、ツアーのスケジュールが並んでいる。そこでツアーが始まるのを待つ。その間、団体は団体でどんどん中へと進んでいく。

待つ前にしなくてはならないことがある。言語別のシールをもらうのだ。これは待合所の向かいにある(つまり博物館の入り口に背を向けた)インフォメーション・カウンターで、パスを提示するともらえる。そのシールがツアーの目印になっている。ポーランド語は赤のシール、英語は白だった。それを胸などに貼っつける。

また、私は待っているあいだに、セキュリティゲートを通ったところにある書店に行き、公式の日本語ガイド(『追悼の場 AUSCHWITZ-BIRKENAU 案内書』)を買っておいた。ポーランド語の解説がわからないので、せめてガイドで情報を補おうというハラだ。

グループはポーランド人だけかというとそうでもなかった。若い日本人たちもいた。私と同じく前日に予約した愚か者たちのようだった。

時間が来ると、ツアーの解説者が、言語名の記されたボードを持ってやって来る。これがツアーの始まりだ。待合所にある入り口を通って、地下のホールに降りる。そこで、レシーバー付きのヘッドフォンが渡される。これを通じて解説者の話が耳に直に入ってくるのだ。

私たちは解説者を囲みながら、アウシュヴィッツへと入っていく。同行した日本人は、ポーランドの解説者が話しているあいだ、後のほうでぺちゃくちゃ喋っていた。まったく愚かな連中だ。だが、私はといえば、ポーランド語がわからないのがバレないように解説者の近くにいたりした。わかったという感じでしきりにうなずいたりして。

後をついていくにも、他のポーランド人をさしおいて、従順な弟子のようにその真後ろにピッタリくっついていった。解説者はポーランド語で話しながらどんどん進んでいく。後ろにいるのが一言もわからない愚か者だとは、夢にも思わなかったろう。

(画像は、インフォメーション・カウンター)

苦い文学

美熟女の罠

繁華街の電柱や壁にこんなポスターが貼られているのをみたことがありませんか。

「男性募集! お金持ちの美熟女の簡単なサポート。高収入保証」

なんとなく怪しいですね。でも、もし本当だったら……そう思うといても立ってもいられず、電話をかけてしまいました。

すると、女性が出て、すぐに来てほしいというではありませんか。その女性に言われた通りに歩いていくと古びた屋敷に辿りつきました。

インターフォンを鳴らし「サポートに参りました」というと、門が開きます。その先にある玄関の扉を叩くと、扉が開き、40代ぐらいのものすごく美しい女性が現れるではありませんか。

その人は私を家の中に入れ、薄暗い客間にまで連れてくると、いきなり抱きついてきたのです。

「これはずいぶん簡単なサポートだ」と思いましたね。

ですが、そのとき、玄関がけたたましい音を立てて開きました。なにごとかと思うと、男が怒鳴るのが聞こえ、ドタドタと足音が近づいてきます。「夫が帰ってきた!」と私は慌て、逃げようとしましたが、女性は私を離しません。恐ろしい強さで締めつけてくるのです。

男はついに私たちのところにまでやってきて、私の首根っこを掴むと、女性から引き離し、床に投げつけました。そして、手に持っていた棒で女を一発打ちました。

すると、女性はたちまち1匹の大きなヒキガエルとなり、床に落ちてひっくり返ったのでした。

彼は言いました。

「危ないところだったぞ。もし私があのポスターを見ている君に気がつかなかったら、君はこのヒキガエルの餌食となるところだったのだ」

聞けばあのポスターは、カエルやヘビ、クモなどの化け物が、人間をとらえる罠として活用している場合もあるとのことです。「注意しろ」とその人(なんでも化け物を退治している人だとのこと)は言ったのですが、ちょっともったいなかったような気もしていますね。

苦い文学

「カルボナーラになります」

「(こちらが)カルボナーラになります」とは、「(この料理が)カルボナーラであるという認識が(当店では)成立しておりますが、いかがでしょうか」と客側に断定を委ねる表現だ、と私は考えている。

こう言われた場合、客は言葉で断定を表す必要はない(その手間を省くためにあえて疑問文にしないのだ)。客側が料理をそのまま受け取れば、この認識は成立したことになる。

だが、認識が成立しない場合だってある。

「カルボナーラになります」
「えっ、これがカルボナーラ? 思ってたのと違う!」

実はこんな時に強みも発揮してくれるのが、この表現だ。

客「えっ、これがカルボナーラ? 思ってたのと違う!」
店「いえ、違うとおっしゃられても、こちらが当店のカルボナーラになります」
客「しかし、こんなに唐辛子が載っているものかね」
店「ですから、これが当店のカルボナーラになりますので」
客「しかも、これなに? この刺身みたいなの」
店「当店自慢のなめろうになります」
客「カルボナーラになめろう!? いやいや、それはありえないです」
店「だから、これが当店のカルボナーラになります、といっておりますが」
客「ですが、普通のカルボナーラじゃないですよね」
店「うふふ、当店のカルボナーラになりますので」
客(しぶしぶ受け取る)「……うまっ」

相手に敬意を払いつつ、クレームにはめっぽう強い。実にたのもしい表現といえよう。