ライブ

TCクラクション×ネコニスズ

TCクラクションとネコニスズのツーマンライブ『うるせぇ奴らが来た』(ユーロライブ)が今日、開催されたので行ってみた。どちらも昨年の M-1 では準々決勝にまで進んだ実力者だ。

今回のツーマンは、TCクラクションを「売れさせる」ために企画されたということで、その狙い通り、ネコニスズを見たい人もたくさん集まり、私もそのひとりだった。

内容は、それぞれが3本のネタを交互に行うというもので、はじめと終わりに4人のトークがあった。

ネコニスズのネタは、これまで私が見た限りでは、42 才の舘野忠臣が「赤ちゃん」になり、それが最終的に破綻する、というものだ。その破綻にもバリエーションがあったが、今回は「破綻モノ」とは異なるバリエーションの「赤ちゃん」ネタが2本あり、面白かったし、感心もした。

TCクラクションは名前はよく聞くが、ちゃんと見たことがなかったので、いい機会になった。さすがにうまいし、面白い。2本目の「ありえないもの」のネタが、特によくできていたと思う。

2組とも、11 月 6 日に、M-1 の3回戦を控えているということで、トークでは M-1 の話も出た。勝ち進むのは、そんなに簡単なことではないだろうが、大いに活躍してほしい。

苦い文学

未来の選挙

私は選挙制度についてはよくわからないが、このまま日本が少子高齢化を突き進み、地方の過疎化が進み、さらに東京に人口が集中していくと、将来、奇妙なことが起こりそうだ。

ひとつを除いたすべての選挙区が東京に吸収され、そのいっぽう、東京以外の選挙区はひとつに統合されてしまうのだ。つまり、日本全国東京以外はすべて同じ選挙区なのだ。

選挙になると、この選挙区の広大な領域内では、どこでも同じポスター掲示板が立てられることになる。何百キロ歩いても、同じ立候補者の顔ばかりだ。海を渡って沖縄に行っても同じだ。まるでお釈迦さまの指に出会った孫悟空のように、有権者は絶望する。

いっぽう、東京はどうだろうか。その頃には東京は日本中の人口のほとんどすべてが集中していることだろう。都内は巨大な超高層ビルに隙間なく覆われている。そんなビルが何百万とあるハイパーメガシティに、何十億という人々がひしめき合っている。

そして、その居住ビルひとつひとつが選挙区となっているのだ。立候補者もそのビルの居住者だし、投票するのもそのビルの居住者だ。

選挙のときになると、居住者たちは、自分たちが政治家を選んでいるのか、マンションの管理組合の理事長を選んでいるのか、わからなくなる。

苦い文学

ジェネリック

先日、薬局で私は薬をもらおうと処方箋を出したのだが、出てきた薬がいつもと違うのだ。不審に思って尋ねると、薬剤師は「ジェネリックになります」と答えた。

私はムッとして「勝手に変えられては困ります」と抗議した。すると「成分も効き目も同じです」というのだ。

「いやそうかもしれないが、本物にしてください」 私がこういうと薬剤師はおかしな表情をして「成分も効き目も同じです」といくども繰り返すばかり。

私はだんだん怖くなってきた。挙動がおかしいのだ。もしかしたら薬剤師もジェネリックかもしれない。私はゾッとして、薬局を飛び出た。振り返ってあらためて薬局を見る。妙に安っぽいではないか。さては薬局もいつのまにかジェネリックに! 大慌てで逃げ出す。

それからはどこに行っても何を見ても、ジェネリックに見える。はっと私は自分の体を見た。ジェネリックだ! 手も足も目も鼓動もすべて! 私はそこから記憶がない。

今、私は小さな病室にいる。これも、すべてがジェネリックだと気がついてしまった報いなのだ……

毎日、院長が私のところにやってくる。「先生もジェネリックですか?」と私はいつも尋ねる。すると先生は答える。

「ええ、私もジェネリックです。この病院の二代目ですから」

「成分も効き目も同じですか?」

「もちろん」

私は安心して眠りにつく。

苦い文学

それな講座

アナウンサーA「これからは関東甲信越のみなさんにお伝えします」

(老人たちが教室で学んでいる映像が流れる)

アナウンサーB「これ、いったい何の様子だと思いますか?」

アナウンサーA「なんでしょう、何か発声練習をしているようですね……」

アナウンサーB「じつは、『それな』を使いこなすための講座なんです!」

アナウンサーA「『それな』というと、あの若者言葉の?」

アナウンサーB「そうなんです。お年寄りたちが若者の会話に加わって楽しく過ごせるようにと、黒骨市が市民団体と協力して始めた取り組みです」

アナウンサーA「へー、素敵ですねえ、私も学んでみたいです!」

(講師が映し出されて、インタビューに答える)

「講座では、現実に近い場面で練習をするので、自信を持って『それな』を使っていただけると思います」

(老人たちが「それなら、それなら」と繰り返している様子が映し出される)

講師「まずは発音に慣れてもらいます。いきなりは難しいですからね」

(受講生の一人、吉田さんがインタビューに答える)

吉田さん「孫娘におじいちゃん古臭いだなんて言われちゃいましてね。ええ、何とか苦労して身につけましたよ。ハハハ、なんだか若返った気分です」

講師「では、その成果を全国に見ていただきましょうか」

(講師は教科書を取り上げ、吉田さんに対して、会話文を読み上げる)

講師「(女子高生の口調で)今日の2限のテスト、めっちゃダルいんだけど」

吉田さん「其れな!」

アナウンサーA「以上、関東甲信越のニュースでした」