私は最近、頭のよさについて考えている。一般的には、頭がいいことは得だ。いい大学に行けるし、いい仕事に就けるし、収入も多い。人が集まってくるし、幸福だ。だが、頭のいい人が得をしているということは、私のようなそうでない人は損をしているということだ。悔しいので、いろいろと考えているうちに、頭のよさについての単純な物語を思いついた。
ある研究者が、とても難しい問題を考案し、とても難しい問題ができたということを人々に発表した。それから研究者は、このとても難しい問題を小学校に持っていって、小学生に解かせた。するとひとりだけ正答した児童がいた。人々は「まさに神童だ」と驚いた。
次に高校生たちにこの問題を解かせた。するとやはりひとりだけ正解を出した生徒がいた。人々は「これこそ天才だ」と感心した。
今度は、研究者は難しい大学に行って、そこで問題を与えた。ひとりの学生がたちまち片付けてみせた。人々は「やっぱり優秀だ」と納得した。
それから国会に向かい、政治家たちにとても難しい問題を提出した。すると、ヤジを言うほどの短い間にひとりの政治家が正解を答弁した。人々は「頭の回転がなんと速いのだろうか」と喜びあった。
国会の隣にはテレビ局があった。研究者はそこに行くと、芸能人たちにとても難しい問題をオファーした。タレントたちはギャラが決まるとすぐにこの問題に取り組み、ひとりのスターがベスト・アンサーを早押しした。人々は「ああ見えても地頭がいいのだ」と喝采を送った。
最後に、研究者は町に行き、出会った外国人たちを呼び止めて、この問題を示した。ひとりの外国人が正解を提示した。人々は「なんてずる賢いんだろう」と防犯対策を行なった。