孤独を防ぐワクチンに反対する反ワクチン主義者は、次の四つの傾向に分けられる。
①どこにでも現れるお馴染みの陰謀論者たち。秘密結社《カバール》が人類を支配するためにワクチンを利用している、という荒唐無稽な主張をなす。
②孤独ワクチンの接種を人権侵害だと非難する人権活動家たち。ワクチンを受けない自由も保障されるべきだと訴える。
③孤独の擁護者たち。②のリベラルな考えを極端に推し進めた結果、人間から孤独を奪ってはならない、という不合理な見解を抱くに至った。
④過激な動物愛護主義者たち。
最後のグループについては説明が必要である。このグループの信ずるところによれば、ワクチン接種はきわめて重大な動物虐待を引き起こしており、ただちにあらゆる接種を停止すべきだというのである。
この「動物虐待」について、これらの人々はが主張するところはこうだ。
「ワクチン接種によって、人間の体内にイミューンという生命体が生まれる。このイミューンを人間の体という檻に閉じ込め、その命を搾取することによって、われわれは免疫を獲得する。つまり、孤独に対する免疫とは本質的には動物虐待なのだ」
奇怪な妄想というほかないが、にもかかわらず、これらの異常な動物愛護主義者たちのグループは勢力を伸ばしつつあり、しばしば事件を起こしている。
先日も、このグループに属す医師がひとり逮捕されたばかりである。報道によれば、この医師は「イミューン」を死者の頭から救出するという妄想にとらわれて、遺体を毀損したのだという。