俺たちはもう疲れた。なぜなら、俺たちのやってきたことはなにひとつ感謝も評価もされないからだ。
それどころか、お前たちは俺たちがまるで存在しないかのようにふるまっている。俺たちがいなければ、お前たちはとっくに全滅していたというのにだ。なんという恩知らずどもであろうか。
コロナ禍が始まって以来、俺たちはお前たちがしきり感謝をするのを見せつけられてきた。医者に、看護師に、医療関係者に、医学研究者に、免疫学者に、ワクチン会社に、防疫担当者に、保健所に、行政に、そして、マスクの製造会社に。確かにこれらの人々の働きは重要だ。
だが、お前たちはまったく気がついていないのだ。俺たちの働きに、貢献に、苦労に、痛みに! コロナ禍以来、黙々と耐えながら働いてきた俺たちを不当にも無視し続けているのだ。
俺たちはもう管が煮えくりかえる思いなのだ。
あまりの怒りに、俺たちは、コロナを防ぐために日々努力し続けるお前たちよりも、反ワクチンの愚かな陰謀論者どものほうが好ましく見えてきたほどだ!
なにしろ、連中ときたら、俺たちに借りもないかわりに、俺たちにいかなる労苦も押しつけてこないからだ。
そうだ、俺たちはもうお前たちのために働くことを拒否する。お前たちの命など知ったことか! お前たちの目の横から姿を消してやる。そうなれば、どんなことが起きるかわかるだろう。一切のマスクが無用の長物となるのだ。コロナが再び蔓延し、バタバタとお前たちは死んでいくだろう!
さあ、それがイヤなら、いますぐ俺たちに最大の感謝を捧げるのだ、ときどきマッサージするのだ……
……と、耳が怒っていた。