苦い文学

雉の新時代

雉たちの間で臨時集会が開かれた。

やがて雉のリーダーが前に立ち話し出した。この雉が集会を呼びかけたのだった。

「みなさんにお集まりいただいたのはほかでもない。われわれ、雉の瀕している重大な危機を訴えたいがためなのだ。

「私はこの場であの言葉を口にして、みなさんを不快にしようとは思わない。だが、あの言葉が生まれて以来われわれが舐めてきた辛酸をば思い出してほしいのだ。

「あの言葉のせいでわれわれは鳴き声を奪われた。なぜなら、一声鳴くたびに『おやおや、雉も鳴かずばなんとやらでは?』などと他の鳥どもが揶揄するからだ。そればかりではないっ。あの言葉のせいで、われわれは『余計な一言を言う愚か者』というレッテルを貼られてしまったのだ!」

悲痛な顔つきの雉たちを前にリーダーは続けた。

「ここで、みなさんに対し衝撃的かつ悲しむべき事実を告げねばならない。われわれが鳴くことを不自然に抑制し続けた結果、われわれのこどもたちの多くが、なんと、鳴けなくなっているのだ! それどころではない、なかにはカアカアとかチュンチュンとか、ホーホケキョとか、別の鳥の鳴き声しか出せないこどもが激増しているのだ」

雉たちは静まり返った。どの顔も青ざめて、怒りに震えていた。雉のリーダーは会場をゆっくりと見回して、再び口を開いた。

「われわれが鳴くのは罪なのだろうか? いや、そのようなことはありえない。われわれの鳴き声は、われわれの命だ! われわれはこの鳴き声を守らねばならない! あらゆる偏見と差別をはねのけて、鳴き声とこどもたちを守らねばならないのだ! 我々のこどもたちが雉としての誇りをもって鳴けるように!」

興奮した雉たちはいっせいに鳴き出した。その鳴き声はあたかも「雉の新時代」の幕開けを告げるかのように森じゅうに響きわたった。