苦い文学

報じるメディア

「ネットを見ても、テレビを見ても、報じられていないことばかり……」 不安!
「どうしてこんな重大なことなのにマスゴミはスルーするんだ!」 イライラ!

日本のメディアの報じなさ加減にご不満が募るばかりの皆さん、朗報です!

日本初の「報じるメディア」が誕生!

これまで日本のメディアは報じないことばかりでしたが、「報じるメディア」は絶対に報じます。もう「日本のメディアが報じない」などとは言わせません!

【ご覧ください! 驚きの報じさ!】
《従来のメディア》
報じられたことと報じられないことの比率は、1対9000(当社調べ)

「報じるメディア」なら、この比率が逆転! 際立つ報じさ!

【それだけではない報じるメディアの素晴らしさ】
・気になる疑惑の溶け残りゼロ!
・増殖したマスゴミ菌を99%除菌!
・オールドメディアでもふんわりさせる柔軟剤配合!
・ジメジメした社会でも抜群の消臭効果。匂わせません!
・論破成分増量で、爽快感が一日続く!

報じさなら「報じるメディア」! ぜひお試しください!

苦い文学

偉大さ国家フェスティバル

「アメリカを再び偉大にしよう!」と叫ぶ人々が立ち上がって、ひとりの男を再び玉座に舞い戻らせた。その名はドナルド・トランプ。そして、その日から、世界は偉大さを求めて熾烈に争うことになった。

トランプがカナダやグリーンランドに目をつけたのもそのせいだ。偉大さの埋蔵量が半端ないと踏んだのだ。

だが、偉大さにかけては中国だって負けてはいない。そもそもアメリカみたいに「偉大にしよう」だなんて言わない。「中国はいつも偉大ですが」とデーンと構えている。4000年の歴史で蓄えた偉大さをさらに増やすべく、現在、周辺海域を好き勝手に調査して、海水中の偉大さを濾過しようと計画中だ。

いっぽう、偉大さを手荒く補給しているのが、プーチンのロシア。ウクライナでの偉大さ特別獲得作戦のテコ入れのため、北朝鮮から新鮮な偉大さを輸入することに決めた。もっとも、北朝鮮の偉大さは、品質管理が悪いせいか、前線に着く頃にはだいぶ目減りしているという。

偉大さをめぐるこの過当競争のなか、厳しいのは日本のように限られた偉大資源しかない国だ。我が国はどう生き残るべきだろうか? 高い関税と金の兜を渡して、アメリカから輸入すべきだろうか? それとも、チャイナリスク覚悟で、中国と取引するか。いや、いっそのこと偉大さなどあきらめて、手痛い負けを喫する前にレースから降りるか……。

そっちのほうがじつは偉大かもしれない。

苦い文学

あいみょんと「の」の逆襲

「おいしいのパン」
「強いの力」
「助けるの人」

「これらはすべて、日本語学習者がしがちな誤用、つまり間違いです」と、日本語教師養成講座の教師は、受講生たちにホワイトボードの板書を示しながら説明を始めた。「このように余計な『の』を挿入してしまうことがよくあるのです。どの国の学習者もする誤用ですが、とくに中国人に多いように思います。しかも、上級になっても繰り返す人がいます」

教師はこの助詞「の」について説明を始めた。助詞の「の」の前後には原則的に名詞が来ること。したがって、「おいしい」や「強い」といった形容詞、「助ける」といった動詞の後には続かないこと。「の」は中国語の「的」と似ているため、一説によれば、その影響でよく余計な「の」を入れてしまうということ……。

ひととおり話し終わると、教師は受講生たちに質問がないか尋ねた。すると手が上がった。

「先生、『の』を変なところに挿入してしまうのは外国人特有ですか?」

「特有、というとニュアンスが異なりますが、学習者にわりによく見られる誤用です」

「とすると、あいみょんは外国人ですか?」

「あいみょん? あの歌手の?」

「ええ」

「それが今の話とどうつながっているか、ちょっとわかりませんが……どういうことでしょうか」

「いえ、あの、『マリーゴールド』なんですけど、『麦わらの帽子』の『の』って、あれ要りますか? ……」

苦い文学

ビッグクランチ★セオリー

宇宙はビッグバンによって始まり、それ以来、私たちの宇宙の膨張が始まった。

このまま宇宙が膨張し続けると、宇宙のあらゆる物質が永遠に拡散することになる。そして、その果てにあるのは、すべてが切り離された孤独で冷たい無の世界だ。なんと寂しいことだろうか。そのような宇宙では、隣の人に話しかけるのにもほぼ永遠のときが必要なのだ。

しかし、これとは逆の宇宙を想定する理論も存在する。ある条件のもとで、宇宙は膨張から収縮に転ずる可能性もあるのだという。この場合、ある時点で、全宇宙の物質が一点に集中することになる。このような全宇宙の収縮をビッグクランチと呼ぶ。もしもこの宇宙が一点にクランチするのであれば、地球から月に行くのも簡単だろうし、行くときも、みな肩を組んで仲良く行くことであろう。

私は断然、ビッグクランチ派だ。もちろん和気あいあいとしたビッグクランチのほうが好みということもある。だが、天文学者として、また宇宙理論家としても、私は、宇宙が膨張するどころか、すでに収縮を始めていると断言できる。

そう断言できる根拠については、ここでは述べない。専門家以外にはわからないからだ。ただ、もしあなたが「コンプライアンスだの人権だの、うるさい奴らばかりがのさばって、窮屈な世の中になった」と感じているのならば、その直感は正しい、とだけ言っておこう。

苦い文学

自分を好きになれるたったひとつのやり方

【新刊案内】『自分を好きになれるたったひとつのやり方』 辺見達夫著

人生で何よりも大事なのは、自分を愛すること。自分を愛することができれば、人生が変わる!

でも……どうやったら自分を好きになれるの? そんな悩みを持つあなたのために書きました。

自分を好きになるためになにをしたらいいか、少し探せばこんな答えが出てきますよね。

・なにかを成し遂げよう。
・友達を作ろう。
・規則正しい生活をしよう。
・自然と親しもう。

「うーん……これをしたら自分を好きになれるっていうけど……無理じゃね?」

そうです。大変ですよね。

「もっと簡単に、楽に、自分を好きになることってできないのかな?」

できますよ! 実は。簡単で、労力要らず、お金もかけずに、できるんです。

「えっ、そ、それはなんですか?」

あなただけにそっとお教えしましょう。それは、怒ること。

最新の脳研究によればズバリ、人間が自分を愛しているのは、怒っているときなんだそうです。ならば、怒らない手はないですね!

『自分を好きになれるたったひとつのやり方』には、あなたがお金をかけずに怒りっぽくなれる方法をたくさん詰め込みました。家庭で、お店で、職場で、駅で、ネットで、どこででも、そしていついかなるときでも、怒りに怒って、罵声をあげ、威嚇し、罵り、土下座させて、自分を好きになりましょう!

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顔とジャーナリズム

日本のジャーナリズムの特色は顔への関心だろう。なんでもいいからニュースのトピックを見てほしい。

「女優の顔が激変」とか、「こんな顔だった?、と違和感続出」とか、「お顔がずば抜けてキレイ」とか、「可愛い表情に絶賛の声」とか、すべて顔のニュースばかりなのだ。

無論のこと、私たち人類は顔からさまざまな情報を得るように進化してきた。だから、顔のことばかりニュースにするジャーナリストたちは、じつはとっても科学的なのだ。

そして、科学的であれば、綿密な取材など不要なのが日本のジャーナリズムだ。なぜなら、すべて顔に書いてあるからだ。そんなわけで、日本の政治のニュースは、岸田さんのメガネとか、石破さんの暗い顔とかでいっぱいになってしまった。

我が国のジャーナリストは、顔のことに夢中なので、緊迫した海外情勢などあまり興味がない。これはとても残念なことだ。もし、これらの記者が世界を飛び回れば、私たちはゼレンスキーさんや習近平さんの顔についてもっと知ることができるだろうに。

もっとも、日本人のジャーナリスト団体は最近、宇宙に関心を示している。近いうち、「火星の人面岩、顔変わりすぎにネット衝撃」といったニュースが配信されるに違いない。

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ロックなテスト

僕たちの学校の先生は、先生だけどロックミュージシャンなんだ。だから、授業はいつもロックのライブみたいなんだ。あるとき先生がみんなの前でこう言ったんだ。

「明日はニューアルバムのリリースだ! みんなちゃんと復習してくるように!」

僕たちはもうこれでピーンときちゃったんだ。明日はテストだってことだ。

そして、次の日は本当にテストだったんだ。

「よし始めるぞ!」と、先生は何人かの子にテストを配り始めた。「これは通常盤のテストだ」 配られたのはみんな普通の成績の子ばかりだったんだ。

それから、また先生は別の子どもたちに配り始めた。少し勉強ができる子たちだ。「これはボーナストラック付きだ」 

今度はクラスで頭の良くない子どもたちに別のテストを配り出した。「お前たちは、ブートレグ盤だ」

そして、最後に成績優秀な子どもたちの前に立った。「お前たちには手応えが必要だ」

そういうと、先生は分厚い本を配り始めたんだ。びっくりしている僕たちに先生はこう言ったんだ。

「これはスーパーデラックス盤だ! 通常の問題に加えて、デモやアウトテイクがぎっしりだぞ。ちなみに、100ページにも及ぶ渾身のライナーにもちゃんと目を通すんだ! さあ、テストはじめ!」

だけど、先生ときたら、テストのあいだじゅう、爆音でロックを聴いてたもんだから、僕たちはテストどころじゃなかったんだ。

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アウトとセーフ

みなさん、今日ここにお集まりいただいたのは、驚くべき発明をご覧にいれるためです。それはこの扉の向こうにあります。みなさんをそこにお連れする前に、私が何を発明したか、お話ししましょう。

私たちがいつも驚かされるのは、昔セーフだったことが、今はアウトになっていることです。例えば、タバコ。昔は飛行機でも病院でもどこでも吸えましたが、今はアウトなのです。

それに、昔はなんでもなかったことが、今ではセクハラ、パワハラ認定です。子どもの躾が今は虐待と呼ばれるようになりました。なんでもアウトになってしまったのです。

つまり、これがどういうことかと言いますと、時の流れとはセーフがアウトになることだったのです。セーフがアウトになり、また、現在のセーフが刻一刻とアウトになっていく、このアウトからセーフへの流れが、歴史であり、時間の本質であったのです。

ということは、もしアウトをセーフに変えることに成功すれば、時間を逆行できるのではないでしょうか。そうです、私はこの原理を利用してタイムマシンを発明したのです。

そのタイムマシンはこの扉の向こうに広がっております。さあ、過去への旅を体験したい方は、私と一緒にこの扉をくぐろうではありませんか。

タバコの煙が充満し、セクハラ、パワハラ、いじめに虐待、ありとあらゆるアウトなものに満ち満ちたこのタイムマシンに、みなさん、どうぞ……遠慮なく……あの、どちらへ……おーい……

苦い文学

女性アシスタントの墓場

みなさん、不思議に思ったことはありませんか。テレビの女性アシスタントのことです。

メインの男性の脇に立ってボードを出したり、一歩下がって笑っていたりする女性たちです。アシスタント自体は不思議でもなんでもないのですが、しばらくぶりにその番組を見たりすると、私たちはいつの間にか別の女性アシスタントがメインの脇に立っているのに気がつくのです。

いったいあの女性はどこにいってしまったのだろう? その行方はまったくわかりません。もう二度とテレビで見かけることはないのです。そして、新たに入れ替わったアシスタントも、ちょっと目を離したすきに、別のと入れ替わっているのです。

こうやって次から次へと女性アシスタントは現れては消えしていくのですが、メインの男性はいつも同じです。年も取らないように見えます。「むしろ若返っているのでは?」と怖くすらなります。

それにしても、これらの女性アシスタントたちはいったいどこへいってしまうのでしょうか。

有力な情報はほとんどありません。お台場方面で「女性アシスタント捨て場」を見た、という人もいますし、富士の裾野で「女性アシスタント墓場」に迷い込んだという人もいます。また、大田区に女性アシスタントのリサイクルとメンテナンスを行う町工場があるなどと、まことしやかに語る人もいます。

まったく、デタラメもいいところですが、それでも、この日本のどこかで、捨てられた女性アシスタントたちがひっそりと生きているかと思うと、男のロマンがかき立てられますね。

苦い文学

日本で最初の強制送還

今日、日本で初めて、日本人の強制送還が執行され、これまで外国人だけになされていた強制送還制度が大きな転換を迎えることとなりました。入管法に詳しい有識者は「不良日本人や非生産的な日本人を日本国内から追放する道筋が示された」と評価します。

今回、日本史上初の強制送還の対象となったのは吉田六郎さん。50代半ばまで無職で過ごし、東横キッズに仲間入りしようとしたところを逮捕された彼に、「日本には不要」と白羽の矢が立ちました。

「強制退去令を渡されたときは戸惑いましたが、今では頑張って送還されたいと思っています」

と神妙に語る吉田さん、強制送還の朝は品川の入国管理局から、護送車に乗って成田空港に向かいました。沿道には、前人未到の挑戦をする吉田さんを一目見ようと、人々が詰め掛けました。

「まるでパレードのようです」と市民が興奮気味に語ります。護送車から手を振る吉田さんに観衆は喝采を送ります。「いってらっしゃい!」「もう二度と帰ってくるな!」

成田空港でも、この歴史的瞬間に立ち会おうと、人々が押し寄せました。「韓国のスターが来たときの騒ぎですよ」と空港関係者も呆れ顔です。

そして、ついに吉田さんの搭乗のときがやってきました。人々は遠くから固唾を飲んで見守っています。吉田さんがタラップを登り、機内に消えていくと歓声が上がりました。その後、飛行機が離陸したときにはお祭り騒ぎとなり、警官たちが出動する事態となりました。

今回の強制送還の試みについて、有識者はこう語ります。

「これからの日本が、純粋で優れた日本人と、役に立つ外国人だけの国でなくてはならないのは当然です。なので、今後、ますます低劣な日本人の強制送還は増えていくことでしょう」

さて、吉田さんですが、モスクワの空港に運ばれたのち、どこかの国に送還されるそうです。