風刺・戯文

数学の問題

問題
あるスーパーで、収益の拡大と顧客への利益の還元、地域活性化を目的に、大規模なセールとイベントを 3 日間にわたり実施した。セールでは、商品総数の 70 %が 3 割引、20 %が半額、残りが定価販売された。また、地元の生産者の協力のもと、地域の野菜や食品の即売も行われた。イベントでは、家族向けのくじ引き大会やサル回しなどが行われ、期間中は大盛況であった。

(1)商品総数が x、地元の生産者の協力者が y 人、そしてセール期間中の来店者数が z 人の場合において、売り手(スーパー)、買い手(客)、世間(地元生産者)がそれぞれ利益を得たとき、次の n に入る数を求めよ。

  「n 方よし」

(2)スーパーの経営者が「n 方よし」に入る自然数 n を以下のように設定した場合、x がいくら以上の場合、経営が破綻し、経営者がその地位を追われるか。

   n = x³ (ただし、n>3)

(3)「n 方よし」において、n が虚数の場合に利益を得る異次元の存在を召喚せよ。

苦い文学

Grand Hotel de France【盗難の証明(1)】

チュニジアのチュニスに滞在するときの私の定宿は Grand Hotel de France だ。メディーナと呼ばれる旧市街の入り口、フランス門の近くにある。

古いホテルで、フランス時代の面影がある。小さなエレベーターもあって、昔の映画に出てくるような網戸をがちゃんと閉めるタイプのものだった(その後、普通の箱型になった)。

部屋は小さいが、清潔だ。薄暗いが、中庭に面したバルコニーを開けると、光が差し込む。冷蔵庫もないし、ネットも部屋によっては繋がらないが、とにかく安全なのがいい。不愉快な思いをしたことは一度もない。

シャワー・トイレ付きの部屋と、共同の部屋がある。運悪く、共同の部屋しか空いていないときは、ひとまずそこに泊まって、空き次第、シャワー・トイレ付きの部屋に変えてもらったものだった。

値段は、一泊 55 ディナール(2600円)。チュニスで外国人観光客が泊まるようなホテルは、最低でも 100 ディナールはするから、どちらかというと現地の人向けの宿だ。地方から来た人かアルジェリア人が多いようだった。

このホテルはネットでは予約できないようだから、私はいきなり訪れる。満室の時もあるが、たいてい部屋が空いている。そんなわけで、今年の2月末にチュニスを訪問したさい、予約もなしに、スーツケースを引っ張ってホテルに行った。

そして、閉館中なのを知ったのだった。

苦い文学

ハビタブルゾーン

宇宙は果てしなく広い。私たち科学者の最大の疑問は、この広い宇宙に日本人が存在するかということに尽きると思います。

いま、私たち日本人が生存しているのは、液体の水の存在、適度な気温、酸素、日の丸、君が代、男尊女卑、強者に対するこびへつらいなどの条件が積み重なったためだと考えられています。これらの条件が整うというのは奇跡的なことなので、私たち日本人は奇跡の存在と言っても過言ではないのです。私たち科学者は、これらの条件が満たされる環境をハビタブルゾーンと呼んでいます。

近年、私たちは全宇宙を特別な望遠鏡で観察し、このハビタブルゾーンが存在するか探査を重ねてきました。その結果、ハビタブルゾーンが次々と発見・報告されています。

もっとも可能性が高いとされるハビタブルゾーンは、ここから7億光年離れた恒星システム内の惑星 J813 です。データ分析した結果、液体の水が存在し、君が代に似た電磁波が周期的に発生していることがわかりました。

この星に日本人が存在するかどうか判明するのはまだまだ先のことです。ですが、今この瞬間にも、遠い星で日本人たちが私たちと同じように弱い者いじめをしているかと思うと、夢が広がりますね。

苦い文学

老害と呼ばないで

日本の若者の皆様

拝啓  早春の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

高齢化が進むこの日本で、私ども老人は近頃、生きるのに肩身狭い思いすることしばしばでございます。

と申しますのも、「老害」などという言葉が生まれたせいで、私どもがすることなすことすべて「老害」と片付けられ、罵られ、嘲られるからでございます。

この「老害」なる言葉、私どもにとってはまったく慮外なるものでございまして、はなはだ不正確にして、私どもの尊厳をいたく傷つけ、踏みにじるものなのです。

なぜ、私どもがこの言葉に反対するかと言いますと、それは私どもが老害などではまったくないからでございます。

思い起こせば、私どもは生まれた時は、嬰害でありました。それから幼害、少害、青害、若害と進み、大人となってからは成害、壮害、中害をへて、老境に達したのであります。

じつに私どもは筋金入りの害、害そのもの、生き害なのでございます。それを、現在の害のみを取り上げて「老害」などと軽々なる物言いをされるのは、はなはだ心外であります。

まるで老人になる前は、有益なことばかりしていたようではありませんか。いや、それどころか、これまで生涯せっせと為してきた数々の害を否定されたような気がするのです。じつに悔しく、切ないのでございます。

若い皆様におかれましては、なにとぞ私どもの切なる願いをご斟酌の上、この「老害」なる不当な言葉を使用なさらぬようご配慮を切にお願い申し上げる次第です。

敬具

日本の老人有志一同

苦い文学

食品偽装

中国産などの輸入アサリを熊本県産と偽った産地偽装のニュースは記憶に新しいが、先日、新たな食品偽装問題が発覚した。

県警の発表によれば、県内に流通している「いかのおすし」の8割が偽装された偽物の「いかのおすし」だという。

偽物の「いかのおすし」は外見だけでは本物と見分けがつかないため、取り違えが発生しやすく、これがまん延につながっているというのが、県警の見方だ。

偽物はこどもにとって重大な危険をもたらしうるため、こどもの安全を守る観点からも、悪質な偽物「いかのおすし」には十分に注意してほしい、と県警は呼びかけている。

《本物の「いかのおすし」と偽物の「いかのおすし」の比較》
本物の「いかのおすし」
 しらないひとには、ついて「いか」ない
 こえをかけられても、くるまには「の」らない
 しらないひとにつれていかれそうになったら「お」おごえをだす
 こえをかけられたりおいかけられたりしたら「す」ぐにげる
 こわいことにあったりみたりしたら、すぐおとなに「し」らせる

偽物の「いかのおすし」
 しらないひとには、ついて「いか」ないてはない
 こえをかけられても、くるまには「の」ったほうがいいぞ
 しらないひとにつれていかれそうになったら「お」おごえをだすな
 こえをかけられたりおいかけられたりしたら「す」ぐとまれ
 こわいことにあったりみたりしたら、すぐおとなに「し」らせるなぶつぞ