風刺・戯文

身を切る改革

自民と維新の連立により、議員定数削減の道が開かれることになりました。定数削減は財政負担を減らすなどのメリットもありますが、議員の数を減らすことなのだから民主主義を制限するものだという意見も根強くあります。

どちらの立場を取るにせよ、この問題は、国民が政治家の役割を真剣に考えるよい機会となるのではないでしょうか。

さて、定数削減の議論の高まりを受けて、あるゲームが話題を呼んでいます。これは日本のゲームクリエイターが制作したもので、その名も「身を切る改革」。

プレーヤーが主人公となって、国会に乗り込み、剣を振るって政治家を切りまくるゲームです。マルチプレーヤーで連立を組んで改革に挑むことができるのも特徴です。

単純なゲームのように思えますが、かなりの高難度で「身を切る改革」の厳しさが実感できる作りになっています。

ゲームを体験したプレーヤーからは「切っても切っても復活しやがる。こいつらいったいどうなってるんだ!」という声が上がっています。

苦い文学

許さないのは人類の罪

私は感謝します。私に再び生きる自由を与えてくれたこの社会に感謝します。

私は人を殺しました。自分でも思い起こすのが苦しいくらい残虐に殺しました。そして、私は逮捕されました。

逮捕されたとき、私にはもう希望はないと思いました。殺人犯として終身刑を宣告され、一生刑務所から出られないと考えていたのです。ですが、違いました。警察に連行されたとき、偉い人が私にこう言いました。

「今、世界では暴力の連鎖が止まらないのだ。暴力が報復につながり、その報復がさらなる報復を呼ぶ。そんなふうに仕返しを続けていたら、どうなると思う?」

「どうでしょう」と私は答えました。「わかりません」

「人間なんてひとりもいなくなってしまうよ。だからこの暴力の連鎖を止めなくてはならないのだ。では、その連鎖を止めるにはどうしたらいいだろうか」

私は何も言いませんでした。

「許すことだ。どんなに苦しくても敵の犯した罪を許すことだけが、報復にストップをかけることができるのだ」

そう言いながら、偉い人は私の手錠を外しました。「さあ、自由に好きなところに行きなさい。私たちの社会は、暴力を根絶するために、すべての犯罪者を許すことに決めたのだ」

私が外に出るための支度をしていると、警察官たちがひとりの男を連れてきました。警察官たちは偉い人に何やら報告をしていました。その男はうなだれていましたが、ふと顔を上げた瞬間、私に気がつき、ものすごい形相で睨みつけ、やがて泣きだしました。

すると、警察官たちはその人を小突き、奥の方に引っ張っていきました。ずっとその人の泣き声が聞こえていました。偉い人は顔をしかめて、私に言いました。「よく覚えておくんだよ。あの男は、自分の子どもを殺されたのだ。それで、犯人を許せない罪の現行犯で逮捕されたというわけだ。許せないというのは、この社会に暴力をはびこらせる重罪だ。きっと終身刑を言い渡されるだろう」

私は偉い人を見て、こう言いました。

「あの人が、私の犯した罪を許さなかったことを私は許します」

それから、外の世界へと飛び出しました。

苦い文学

兄貴寿司

先日、出先で昼を迎えることになった。家で食べるほうが安心だったが、しかたなく大手チェーンの回転寿司に入った。

入ると、ガイド役の機械が待ちかまえていた。指示されるままにその画面をタッチすると、カウンター席の番号が書かれた紙が出てきた。

そこで食べろというのだ。カウンター席はひとりひとり仕切られている。私たちは食べるときはひとりでなくてはならない。寿司のレーンは上下2本あり、下のレーンを絶えず寿司が流れていく。どの寿司も大きな透明な殻に入れられている。

レーンの上にモニターがあり、そこから注文することができる。マグロを注文し、しばらく待つと「注文した商品が到着します」と音声が流れた。皿が上のレーンを流れてくる。私は緊張しながら速やかに皿を取った。わずかな遅滞が命取りになるかもしれないからだ。

醤油差しは仕切りの下の台に置かれている。醤油皿はない。私は慎重にこれを取り上げた。そして、余計な誤解を招かないよう自分の顔から十分離して寿司の上に持っていき、数滴だけふりかけた(かけすぎるのも危険だ)。そして、寿司を素早く口に放り込んだ。

空いた皿を醤油皿として使っていいものか迷ったが、確信が持てず結局やめた。醤油差しの置かれている台にガリの入った容器も置かれていたが、難易度が高そうなのでこれも諦めた。

私は結局、4皿ほど食べて終わりにした。もう限界だった。何もかもがトラップのように感じられた。

会計をセルフレジでしていると、人間の店員が私に声をかけてきた。食べ終わった皿をテーブルの片隅にある回収口に入れていなかったというのだ。

「しまった、ついに引っかかった」と私はとりみだしたが、店の人が代わりにやっておいてくれたというので安心した。さもなければ、別室に連行されていたかもしれない。

私は命拾いしたことにつくづく感謝しながら、「Big Brother is watching you」と記されたレシートをポケットに押し込みながら店を出た。

苦い文学

AI の絵

AI による画像生成が話題になっているので、私もさっそくやってみた。

まず Discord にアカウントを作って Midjourney を試した。英語キーワードを入れて、画像を生成するのだが、「プーチンのかつらコレクション」を試しているうちに使えなくなってしまった。

無料では25枚しか作れないのだった。無駄なことに使ってしまった。

しかし、無料で制限のないサービスもある。Stable Diffusion だ。

私は世界各国のビートルズを作成するのに夢中になった。「日本人のビートルズ」「ベトナムのビートルズ」「ビルマのビートルズ」「インドのビートルズ」……「北朝鮮のビートルズ」には金正恩に似た人もメンバーに加わっていた。

AI の絵というのは、うまい絵は得意だが、下手な絵はそうではないようだ。もしかしたら、これから AI には描けないような下手な絵の価値が高まるかもしれない。