風刺・戯文

ガラスの天井

ガラスの天井というのは、グラス・シーリングというようにもともとは、英語の言葉であったが、日本でも使われるようになった。これは組織内で女性のキャリア上昇を妨げる見えない障壁を指す表現だ。

日本は世界有数の科学技術国であるから、当然ながらガラスの生産技術も高い。だからよその国よりも歪みが少なく透明だし、硬度も抜群だ。そのため、これを打ち破るのは至難の業とされてきた。現に最近でも報道されたように、ジェンダーギャップ指数では日本は 117 位と、ガラスの高品質が評価されている。

とはいえ、最近の日本でも変化の兆しがないわけではない。特筆すべきは、高市早苗氏の内閣総理大臣就任だろう。これまで男性が占めてきた重職をはじめて女性が担うこととなったのだ。

高市首相を批判する人も多い。もちろん意見はさまざまだからそれはいいのだが、日本の首相職を覆っていたガラスの天井を最初に打ち破ったのは彼女であることを忘れてはいけない。

我が国の極めて硬いガラスの天井を、彼女は頭でぶち破ったのだ。だから、そのダメージが政治に重大な影響を与えたとしても、大目に見なくてはならない。Xで寝ない自慢をしたり、口を滑らせて余計なことを言ったり、皇族に意地悪な法律を作ったり、国民の暮らしに無関心だとしても、悪いのは彼女ではない、ガラスの硬さだ。

それに、ガラスの天井を壊してくれたおかげで、彼女の後に現れる女性たちは、頭を打たずに済むわけだから、きっともっと聡明で思いやりに溢れた政治を行ってくれることだろう。