風刺・戯文

悪人たちのボランティア

私が強く訴えたいのは、ボランティアをしている人はみんな悪人だということだ。

だが、これには二種の悪人が含まれている。最初の悪人は、ボランティアをすることで何か良いことをした気になる人々だ。つまり善人ぶった連中だ。そしてぶっているからにはその正体は悪人なのだ。

二番目の悪人だが、こいつらの悪辣さに比べれば、最初の連中など小悪党にすぎない。これらの大悪党はボランティアなどとうそぶきながら、そのじつ金のことしか考えていない連中だ。

なにしろボランティアには金がかかる。支援活動は言わずもがな、事務所の賃料、運営費、スタッフの給料に交通費、企業や行政との交渉、フェアの参加費、ニュースレターの発送費に、会議のお茶菓子……。

これらの経費をかき集めるため、大悪党たちはボランティアなどそっちのけで、あちこちほっつき回って寄付金をせしめ、めざとく助成金を見つけて掠め取ろうとし、講演会で人心を迷わし、フェアトレード商品で荒稼ぎすることに精を出しているのだ。

事情を知らぬ一般人たちはボランティア活動を「ノンキなお遊び」とバカにしてはばからない。だが、これらの悪人たちのボランティア活動の裏にどれだけの狡賢さと計算高さと抜け目なさが渦巻いていることだろうか。これに比べれば一般人たちの金儲けなど児戯に等しい。

だから、私は不祥事を起こした芸能人たちにみそぎとしてボランティアさせるのは断固として反対だ。人間はボランティアをやって善人になりはしない。むしろボランティアたちの悪どさに染まって、差別の撤廃や人間の平等を訴えて政府に楯突きかねない。