旅・観察

チュニジアのパンとカゴ

チュニジアの食事にはパンは欠かせない。たいていの安レストランでは、店に入ると、頼まずともパンが入ったカゴが出てくる。中にはバゲットが切ってある。

これはあらゆる食事にデフォルトでついてくる。しかも食べ放題だ。それはいいのだが、気になることもないではない。

まず、カゴの中に入っているパンがいつ切られたのかわからない。見えるところで切っていることもあるが、店の奥で切っている場合もあるし、もしかしたら、前の客に出されたカゴに減った分だけパン切れを追加したものかもしれない。

それに、店によっては、カゴがテーブルに置いたままになっていることもある。そのカゴはいつからそこにあったものだろうか? そして、何人の客がそこからパンを取ったものだろうか?

さらに、カゴの問題もある。このカゴはいつから使われているのだろうか。底にあるパンくずはいつからそこにあるのだろうか? 考え出すとキリがない。

しかし、実際のところ、私はそれほど気にしていない。なぜなら、チュニジア人は一般にパンにすごくうるさいから。誰に聞いても「昔に比べてパンはまずくなった」という。これは、パンのことをいつも真剣に考えていないと出ない言葉だ。そうした人々が、パンを粗末に扱うことはないし、パンに求める水準も高い。だから、周りのチュニジア人が普通に提供し、普通に食べているのであれば、食べられるのだ。

蝿が止まっていても、手で払うだけだ。