研究

ベルベル語調査のお金(1)

言語調査に必要なものはなんだろうか。「この頭脳だけさ」とうそぶく人もいるかもしれないが、そんな天才でも旅費や滞在費はかかる。つまりお金だ。

2025 年に私は 2 回、チュニジアで調査をした。総額で 80 万円以上になった。ほとんどが航空券代とホテル代だが、調査協力者への謝金も含まれる。

この資金は、全部ではないものの大部分が科研費から出ている。科研費はもともとが税金だ。いや、私の払った税金が回り回って戻ってきたものかもしれない。どう解釈するにせよ、一度親元を離れたお金はもう他人のお金だ。手前勝手に使うことはできない。

書類も書かねばならないので面倒だが、研究者ではない私には、唯一の資金だ。

もっとも、2026 年 3 月は、頼みの綱の科研費が底をつき、チュニジアに行くことができなかった。しかも、2025 年度で科研費ともお別れのため、その先の調査の予定も立たなかった。

自腹では無理だ。念願のベルベル語調査も、わずか 3 週間であえなく終了……かと思いきや、そうでもなかった。

別の科研費がやってきたのだ。捨てる科研費あれば拾う科研費あり、だ。

(写真:タターウィーンのカフェ)