最近めっきりオエーッとしている人を見なくなった。
昔は、男性どうしがキスしたり、女性が無理してオシャレをしたり、品を作ったりすると、オエーッとする人(決まって男だ)がどこからともなくあらわれたものだった。
そして、このオエーッに周りの人々は笑い、喝采を浴びせるのだった。オエーッとする男たちはこれがうれしいらしく、ますます得意になって、さらに大胆なオエーッをやる。口を開け、舌を震わせ、喉の奥から絞り出すのだ。目なんかもう涙目だ。
この男たちがどこからやってくるのか、そしてどうしてお決まりの状況でオエーッとやらかすのか、私にはわからない。芸人のようでもあり、宗教家のようでもある。
だが、今、彼らを見ることはない。時代の流れについていけず、とっくに絶滅してしまったのだ、という人々もいる。かつて彼らに喝采を送っていたのを忘れたかのような冷たい言葉だ。
いや、そうではない、という人々もいる。日本の片隅でひっそりと生き延びているのだ、と。まるでニホンオオカミかなにかのようだ。
これらの人々は、貴重なオエーッを次世代の子どもたちに残したいと、日本中をくまなく探し歩いている。