苦い文学

異次元の少子化対策

現代日本の問題は、少子高齢化とそれにともなう労働力の減少である。

労働力に関しては、我が国では移民でカバーする政策が取られている(もっとも日本に移民はいないことになっているが)。新型コロナの水際対策が緩和されたことも相まって、外国人労働者は約 182 万人に達し、2007 以降最大となった。

国外から労働者を連れてくることには、批判も根強い。人権侵害、不当な労働環境、外国人差別などがしばしば報じられている。

また、外国人の急増は、日本の社会にも変化を引き起こさずにはいない。その反動としてゼノフォビアが高まり、ヘイトクライムも発生する。

しかしながら、現在の日本にとって外国人労働力は不可欠なものであるから、さまざまな社会的な問題も、粘り強い取り組みがあれば、いずれは解消されていくであろう。

いっぽう、問題の根本たる少子化問題についてだが、日本政府はこれについて「異次元の少子化対策」を先日発表した。

異次元から子どもを連れてくるとはどういうことだろうか。外国から労働者というのとはわけが違うのだ。

異次元にルーツを持つ子どもたちが我が国にどんな禍々しい災厄をもたらすか、そんなことも考えたことがないのだろうか。

あまりに政治家が使いすぎるので、日本人は「異次元」に麻痺してしまっているのではないか。それは良いものなどではない。ただただ冷たく邪悪なものなのだ。

岸田首相には、ぜひラヴクラフトの「異次元の色彩」を熟読した上で、この恐るべきクトゥルー的少子化対策をすみやかに撤回していただきたい。