中国の雲南省のカチン人の祭りに行った帰り、私は iPhone を無くした。タクシーに置き忘れたのだ。
1時間以上タクシーに乗ってたどり着いたホテルで、そのことに気がついた。
タクシーを降りてからもうずいぶん経っていた。もといた街に向かって走行しているはずだ。
しかし、そのタクシーはホストのカチンの人々が手配してくれたものだった。なので、そのカチンの人々に電話して、タクシーの運転手に連絡をとってもらうことができるかもしれない。
問題は、私は中国語ができないことだったが、それも同行していた在日カチン人がなんとかしてくれた。
それで、どうなったかといえば、タクシーの運転手は引き返して、iPhoneを届けてくれたのである。
中国の人々が日本の治安の良さや、財布を落としても戻ってくることに驚いている……以前、そんなことが日本でニュースになったものだ。だが、その時私は、中国でだって遺失物は戻ってくるのだ、ということを感激とともに思い知ったのであった。
とそんなことを、中国人の留学生に話したら、こんなふうに言われた。
「iPhone が帰ってきたのは、その後に別の客が乗らなかったからですよ」