苦い文学

土下座

昨日、ドラマ「六本木クラス」の第1話が放送されたが、これは誰もが知っている通り、韓国のドラマ「梨泰院クラス」のリメイクだ。

「梨泰院クラス」は主人公パク・セロムの復讐譚で、その相手はトップ外食ブランド「長家」会長のチャン・デヒだ。

この男のせいで、パク・セロムの苦難の人生が始まったのだ。

パク・セロムはよい仲間に恵まれ、着々と「長家」とチャン・デヒを追い詰めていくことになる。

物語のある時点で、この宿敵が死にかける。すると、パク・セロムはチャン・デヒに電話をかける。

そこでなにをいうかというと、「死ぬな」という。つまり、死んでしまってはお前を土下座させることができなくなるから、生きろ、というのだ。

今日、安倍晋三が、銃撃されて死んだ。彼の訃報を聞いて、私は「梨泰院クラス」のこのエピソードを思い出した。

その理不尽で痛ましい死によって、民主的な手続きによって彼を土下座させる機会は、永遠に失われたのである。