人々が東京湾の海上でその怪しい船を拿捕し、その積荷を見たとき、驚き、憤らずにはいられなかった。船倉はリベラルの票でぎっしりだったのだ。
「これは外国勢力によるリベラル票の密輸だ。リベラルどもはこの票を使って選挙に勝ち、日本を外国に売り飛ばそうとしていたのだ」
たちまち警察が関係各所を捜査し、密輸を企てたリベラルどもを一網打尽にして芋づる式に逮捕した。
船から見つかった大量のリベラル票はといえば、倉庫に搬送され、事件の重要な証拠としてまとめて保管されることになった。捜査が進展すると、証拠をさらにしっかり調べるために、捜査員たちにこんな命令が降った。
「密輸事件のリベラル票をすべて持ってくるように」
捜査員たちは倉庫に向かった。倉庫に入り、奥の方へと歩いていくと、プンとイヤな臭いがしてきた。次第に強まりゆくその悪臭の中を歩いていくと、その先に「証拠、リベラル票」と書かれた箱がいくつも積まれていた。腐ったような臭いを発しているのはそれらの箱なのだった。
捜査員たちはあまりの臭さに吐きそうになりながら、その箱を開け、中身を見てびっくりした。
地球温暖化を見くびっていたのだろうか、リベラル票の保存と温度管理が適切でなかったせいで、みんな腐って保守票になっていた。