風刺・戯文

ロックなテスト

僕たちの学校の先生は、先生だけどロックミュージシャンなんだ。だから、授業はいつもロックのライブみたいなんだ。あるとき先生がみんなの前でこう言ったんだ。

「明日はニューアルバムのリリースだ! みんなちゃんと復習してくるように!」

僕たちはもうこれでピーンときちゃったんだ。明日はテストだってことだ。

そして、次の日は本当にテストだったんだ。

「よし始めるぞ!」と、先生は何人かの子にテストを配り始めた。「これは通常盤のテストだ」 配られたのはみんな普通の成績の子ばかりだったんだ。

それから、また先生は別の子どもたちに配り始めた。少し勉強ができる子たちだ。「これはボーナストラック付きだ」 

今度はクラスで頭の良くない子どもたちに別のテストを配り出した。「お前たちは、ブートレグ盤だ」

そして、最後に成績優秀な子どもたちの前に立った。「お前たちには手応えが必要だ」

そういうと、先生は分厚い本を配り始めたんだ。びっくりしている僕たちに先生はこう言ったんだ。

「これはスーパーデラックス盤だ! 通常の問題に加えて、デモやアウトテイクがぎっしりだぞ。ちなみに、100ページにも及ぶ渾身のライナーにもちゃんと目を通すんだ! さあ、テストはじめ!」

だけど、先生ときたら、テストのあいだじゅう、爆音でロックを聴いてたもんだから、僕たちはテストどころじゃなかったんだ。

風刺・戯文

ライブ授業

僕たちの学校に新しい先生が加わった。でも、ロン毛でぴちぴちのジーンズでちょっと変わってるんだ。「先生、どうしてそんなカッコなの」と聞くと先生はサングラスをちょっと下げて答えたんだ。

「なんでって、先生はロックミュージシャンだからさ」

「えー、先生じゃないの」

「どっちも一緒さ」

先生は言うんだ。「授業はライブだ」って。だから先生は毎日授業の前にツイッター(現X)にこんな投稿をするんだ。

ライブの告知でーす。
初めてのワンマン@2-5教室でーす。待ってるゼ!
12月18日 1−6教室 開場08:40、開演08:45 【SOLD OUT】
12月18日 2−5教室 開場09:30、開演09:35 【残席わずか、S席完売】
12月18日 1−6教室 開場09:40、開演09:45 【当日券有】

でも、授業に出席するのはいつだって同じクラスの子ばかりだ。

先生の授業はいつも楽しくて面白い。僕たちはとっても勉強が大好きになったんだ。それに先生はたのもしいんだ。いじめっ子を「お前はステージ裏の開放席行きだ!」と教室から追い出したときは、もう大喝采だった。

だけど、先生にはひとつだけイヤなところがあるんだ。それは、どんな授業の前にも先生にかならず 60 円払わなくてはならないこと。ドリンク代だっていうけど、いつも紙コップに水道の水なんだ。