風刺・戯文

まだ地獄じゃない

日本人ほど移民を憎んでいる集団はいません。このまま、移民を叩く風潮が高まれば、日本人たちは、国中の移民を国外追放する政策に乗り出すでしょう。

ですが、日本人たちは、国外追放の実際についてはあまりご存じないようなのです。追っ払えばすごすごといなくなるものと思い込んでいるのです。移民を犬や猫以下に考えてきたツケです。

しかし、最低限の手続きはどうしても必要です。追放までの間、収容しておくための施設もなくてはなりません。食べ物も光熱費も人件費もかかります。現在のところ、日本に居座っている外国人は四百万人を超えたとのことですが、仮にこのほとんどが移民だとしましょう。これだけの人を飛行機で追い出すとしたらどれくらいのお金がかかるでしょうか。

しかも、輸送能力にも限度があります。日本からの出国者数は一日平均十五万だそうです。日本全国の飛行機をフル稼働しても、一月かかることになります。もちろんその間、日本人はいっさい出国できません。これはなかなか難しいことです。実際問題として、シャカリキになっても一日千人がやっと、というところではないかと思います(飛行機に移民を押し込む職員の身にもなってください)。とすると、四千日、約十一年かかる計算です。

いったいこれだけの間、何百万もの人間を収容して、面倒を見ることなど可能でしょうか。いやはっきりいってしまえば、移民を国外追放するのは不可能なのです。ここで発想を変えてみましょう。

もしこの日本に、移民を処理する施設があったらどうでしょうか。とても便利に違いありません。経費もずっとリーズナブルですし、国外追放よりもスピーディです。

近い将来、こんな施設ができあがることでしょう。確かに重たい事実です。ですが、もう日本人たちには選択肢はないのです。その施設では、移民を社会の正当な一員とする処理がなされることでしょう。