海風邪というバンドの初EP「私の夢を見ていてね」リリース記念ライブが九月二十日に行われ、宇宙ネコ子がゲストとして出演するので行ってみた。海風邪は、昨年結成されたばかりの五人組のバンドで、男女のツインボーカルもいい。楽曲も気に入った。
ライブ前、雨の中、会場に向かって歩いていると、宇宙ネコ子のギターのねむこさんが前を横切って行った。そして、同じ頃、ギターとボーカルの kano さんは別のところでケバブを購入していたことが MC でのちに明らかにされた。出演前は必ずケバブを食べるのだそうだ。トルコのミュージシャンでもそんなことはしないだろう。
宇宙ネコ子は前日と同じバンドセットで、ドラムとベースはいつものサポートメンバーだ。昨日書いたことにも通じるが、研究発表と同じく、演奏もまたわかりやすくなくてはいけないと、ライブを聴きながら思った。どういうことかというと、瞬間瞬間に聞き手がどの音、どの楽器、どの効果に意識をフォーカスすればいいかが自然にわかるということだ。それができると演奏は近くなるし、そうでないとただ遠くで鳴っている音になる。
宇宙ネコ子の場合、演奏の焦点は歌とギターだ。どちらかのときもあるし、両方のときもあるが、なんにしても、聞いていて迷うことがない。考えずに音を楽しむことができる。逆にいえば、なんの音だろう、とまず考えさせられると、そこで聞くことが止まってしまう。そうならないようにするためには、音を詰め込まないのが大事だ。今回の宇宙ネコ子でいうと、ドラムとベースの仕事が重要だ。
よくよく考えてみれば、これは当たり前のことだ。デイヴィッド・リー・ロスが歌っているあいだじゅう、エディ・ヴァン・ヘイレンがチロリロチロリロチロリロビィーンと派手に弾いていたら、聞き手もいつジャンプしたらいいかわからなくなるにちがいない。