苦い文学

亀の甲よりもっと

2013 年 11 月、私は日本のビルマ団体の代表としてビルマに行き、支援プロジェクトのため、あちこちの施設に連れていってもらった。

そのうちのひとつに、あるお寺が運営する養老院があった。

そこには身寄りがない老人や、家族が貧しくて養うことのできない老人が暮らしていた。

私は、昔の話、特に日本軍がいたころの話を聞きたいと思い、コーディネーターを務めてくれた若いビルマ人と一緒に、何人かの老人に話を聞いた。

そのうちの一人のお婆さんとやりとりしていると、政府の話題になった。

すると彼女は震えながら「こんな話はできない、しない」と言いだした。

「もう軍事政権は終わったんですよ」とコーデイネーター。民政移管ののち、テインセイン政権が始まったのは、2011 年だ。

だが、彼女は頑なに信じようとしないのだった。「いや、怖い」

私たちは笑った。同行していたお寺の関係者も笑った。

しかし、その後の成り行きを見ればわかるように、正しかったのはこのお婆さんのほうで、笑われるべきは私たちだったのだ。