苦い文学

大先生のお言葉

ドイツのポツダムで言語学関係の学会が開催されている。

昨日が初日で、オープニングでポツダム大学の学長が最初に挨拶した。理系の研究者ということで、昨日の深夜、アメリカ出張から帰ってきたそうだ。そこで、挨拶の冒頭でこんなことを言った。

「アメリカでは研究者たちと会って話しました。そこで言っていたのですが、今のアメリカの雰囲気は」と学長は言いかけて「ここにアメリカからいらっしゃった方はいますか?」

私は前のほうに座っていたのでわからなかったが、誰も手を挙げなかったようだった。学長は続けた。

「今のアメリカは、とても暗い雰囲気だということでした」

もちろんトランプ政権以来、ということだが、研究費もいろいろ削られているという。そんな状況だからこそ、今、ここポツダムに世界中の言語を研究する人が集まるこうした機会は重要だというような話だった。

ところで、学長が「今のアメリカの雰囲気は」と言ったとき、私のすぐ後ろで、女性が小さく「terrible」というのが聞こえた。

そのときは振り返らなかったが、あとで後ろを見てみると、アメリカの有名な言語学者だった。

大先生がいうのだからこりゃ間違いない。今のアメリカは「ひどい」のだ。