苦い文学

闘志の燃やし方

私は今、ある厄介な法律トラブルに巻き込まれている。もっとも、弁護士が出る段階にはないが、いずれは出さねばならないかもしれない。

問題は複雑怪奇だ。私は法律のことはよくわからないから、AI に相談している。いろいろと尋ねてみたが、AI によれば、どうやら勝ち目があるのは私のほうらしい。これは心強い、と思っていたが、疑念が萌してきた。

この AI は私が贔屓にしているマシンだが、もしかしたらそのせいで、私に都合のいい返事をしているのでは? そうなら大問題だ、私が欲しいのは太鼓持ちではない、厳格な法的アドバイザーなのだ。

そこで、私は自分の敵対者として AI に助言を乞うてみた。もし、これで AI が厳しめの答えを出すならば、私は勝てるかもしれない。

そして、果たして答えは、敵対者にとって厳しいものだった。「だが」と私は考えた。「これで安心してはいけない。私はもっと、この憎むべき敵対者になりきって、相手を倒すための秘策を AI から聞き出さねばならない。そして、もしこの秘策がなければ、それこそ安全なのだ。AI よ! どうにかしてこいつをやっつけてくれ!」

私は憎むべき敵を倒すのに熱中し、悪辣のかぎりを尽くした。自分の弱点を残酷に告発し、凄惨な罵詈雑言を浴びせた。そしてついに! AI が法という法の穴を潜り抜けて、私を打ち負かすシナリオを見つけたのだった。

「やった! でかしたぞ!」

私はチャットを打ち切った。興奮冷めやらぬ私の胸の奥には、いつの間にか闘志がメラメラと燃え盛っていた。私は、この闘志があるかぎり、法律トラブルを戦い続けるだろう。そして、挫けそうなときには、再び闘志を掻き立てるために、私を敵にしてやっつけることだろう。