数年前からか、2月末日は日本の研究者にとって重要な日になった。なぜなら、科研費の審査結果が発表される日だからだ。
科研費というのは、「日本中の愛国者が憎んでいる」でお馴染みの研究資金のことだ。これがもらえるかどうかで、研究計画が大きく変わってくるという。ジャンルにもよるが、応募者のうち3割弱しか選ばれないから、厳しい。
私は研究者ではないが、たまたまこの科研費にかかわる機会があったので、2 月 27 日のことは気になっていた。この日に発表されるとはいえ、何時だかはわからない。なので、元 Twitter(現 X)をチェックしたりしていた。
すると研究者たちが「科研費に当たった」という表現は適切か・不適切という議論をしているのが目に入ってきた。ある人に言わせれば、科研費というものは厳正なる審査の結果によるものであるから「当たる」だの「外れる」だの、クジみたいにいうのは不謹慎だというのだ。
いっぽう、科研費の審査は、どの審査員が担当するかとか、他のどの応募書類と一緒に審査されるかとかはわからないのだから、応募者にとっては運としかいえない要素もある、そうなると「当たる」もまったく的外れではない。
普通は「採択される」とかいうのがいいらしいが、これでは硬すぎるということだろう。ほかにいい言葉はないか、私も考えてみたが「略奪する」とか「もぎ取る」とか「ほじり取る」しか出てこなかった。
しかし、なんでもそうだが、科研費は応募しなければもらえない。犬も歩かなければ、当たりようもなかろう。