苦い文学

女も加害者

男たちはもう我慢できなかった。「フェミどもはどうして男ばかり責めるのだろうか? なぜ男ばかりいつも悪者なのだろうか?」 「そうだ、女たちはいつも責め立てる。『男は加害者だ! 男たちのせいで女たちは苦しんできた!』と!」 「そんなのは嘘だ! 男たちはいつも女にやさしくしてきたではないか。選挙権も人権も専用車両だって欲しがるままに与えてきたではないか。それをいきなりこんなことを言い出すとは、狂っている!」

男たちは「女だって加害者だということを、俺たちが証明してやろうではないか!」と口々に叫びながら研究所に乗り込むと、女の研究者を追い出して、男たちだけで秘密の研究に取りかかった。そして、数ヶ月後、最悪の加害者女が誕生した。

【最悪の加害者女の特徴】
・すぐ男を殺す。
・自分が50代なのに20代の男に好かれると思っている。好かれないとすぐ殺す。
・騙して自分の家におびき寄せ、性暴力を振るう。その後、税金のかからない範囲で見舞金を送る。

男たちは叫んだ。「これを見ろ! 女も加害者ではないか!」 「そうだ、こいつを作るのに、俺たちは、何人もの女の体をツギハギにしなくてはならなかった!」 

そのとき、最悪の加害者女が、恐ろしい叫びをあげた。檻をぶち破り、刃のような牙と鋭いツノで、男たちを串刺しにした。そして、国連女性差別撤廃委員会に出席するためにどこかの山に消えていった。