「イケおじ」になるためのワークショップが、先日、市民ホールで開催された。
会場に集まったのはおよそ 50 人の男性たち。みな、イケおじになりたい、との一心でやってきた市民だ。もっとも多いのは 50 代、60 代だったが、90 代の参加者も何人もいた。ただし 20 代はひとりもいなかった。
はじめに参加者がひとりひとり意気込みを語った。98 歳の参加者が「イケおじになるという最後の夢を叶えて旅立ちたい」と言ったときは大きな拍手が巻き起こった。また 15 歳という最年少参加者が緊張気味に「みなさんのようなイケおじになりたい」と語ったときは、だれもがまんざらでもない顔つきだった。
次のブレイン・ストーミングは「どんなイケおじになりたいか」をテーマに自由に意見を出し合う時間だ。いろいろな意見が出たが、「モテる」と「スローセックス」の言葉が出たときは誰も我が意を得たりという表情で拍手をした。
引き続いて、「イケおじが日本を救う」というタイトルの特別講演が行われ、その後、3 つのグループに分かれてセッション・タイムとなった。セッションのテーマは「イケおじのファッション」「イケおじのセックス」「イケおじの魅力」。それぞれで活発な討論が行われ、まとめの時間での各グループからの発表は、終始笑いに包まれ、大盛り上がりだった。
だが、今回のワークショップで一番盛り上がったのは、クロージングの時間だ。そこでは主催者がこう言ったのだ。
「15 歳から 98 歳までのみなさんが、世代を超えて協力し、討論し、楽しんだ。こんなことがありうるでしょうか。もう、みなさん全員がイケおじです」
一日がかりで行われたワークショップは盛況のうちに閉会した。会場を出た参加者たちは手に入れたばかりの「イケおじ認定証」をちらつかせながら、女性たちに声をかけはじめた。