苦い文学

地球温暖化の顔

猛烈な暑さの中、世界各国の代表たちが集まって、地球温暖化対策について協議を始めた。

ある大国の代表が主張した。「我が国は国際的な基準を遵守している。問題は一部の国々が責任を果たさないことだ」 もっとも、その大国こそが数字をごまかして、基準などないかのようにふるまっていたのだった。

いくつかの国々がただちに賛意を表明した。実は、それらの国もまた、国際的なルール破りの張本人だった。

すると、今度は別の大国が立ち上がり、非難した。

「一部の国々が問題を軽視したせいで、このような温暖化が生じたのだ」

だが、一部の国々がそうせざるを得なくなったのは、この大国が不当な圧力をかけたせいなのだった。

協議は続いたが、どの国も、自分にも責任があるのに、まるで何の関係もないかのような顔つきをしていた。

この協議の様子は、テレビやネットでライブ中継された。人々は、世界各国の代表たちが涼しい顔をしているのを見て、「おや、地球温暖化問題が解決したのか」と喜んだ。