マンションには管理組合があり、マンションの維持や修繕のために活動している。
管理組合の役員になるのはマンションの住人や所有者だが、本業があるので管理組合の仕事すべてに手が回るわけではない。
そこで、管理組合に委託されて、マンション管理会社が日常的な業務を遂行することになる。
私の知人の住むマンションの管理組合が、何か問題があったかして、それまでのマンション管理会社との契約を更新せず、別のマンション管理会社と契約した。
管理会社の変更や契約には総会の決議を経ねばならず、けっこう手間がかかるが、無事に済み、新たな体制がスタートした。
これで一安心と思いきや、だんだんとおかしなことが起きはじめた。
すでに何年も活動してきた管理組合は、独自の進め方・やり方があったが、管理会社は自分たちのやり方を押し付けてくるのだ。それで「こっちのやり方を尊重してくれ」というと、何かの法律を持ち出してそれとなく脅すのだった。
たとえば、管理組合にはすでに管理組合のハンコがあったのだが、管理会社は断りなく勝手にハンコを作って、代金を請求してきた。
「すでにあるからいらない」というと、「決まりなので」とハンコを渡そうとする。
「いや、必要のないものは受け取れない」
「管理組合のハンコを管理会社が持っているのは法律違反です。受け取ってください」
こんな調子なのだ。
そして、さらに驚くべきことが明らかになった。管理会社が管理規約の条文を自分たちに都合よく書き換えていたのだ。管理規約の変更には総会の決議が必要なのはいうまでもない。
私の知人は管理組合の役員のひとりだったが、こう言って嘆いた。
「連中が管理しようとしているのは、マンションじゃなくマンション管理組合だったんだ」