苦い文学

イヌテリジェント・デザイン

夕方涼しくなったので公園でぼうっとしていたら、散歩に連れられてきたイヌたちの会話が聞こえてきた(最近こういうことがよく起こるのだ)。

毛並みのいいの「おい、今日、とんでもない話を聞いたんだ。俺たちの祖先がなんとオオカミなんだってよ」

背の低い茶色の「誰がそんなことを言ってるんだ。あんな野蛮な生物から我々が生まれたなど」

白くてフサフサしたの「まったくだ」

モジャモジャの「いや、それは科学的には証明されていることだ。我々はみなオオカミから生まれたのだ」

イヌたち「(一斉にうなり吠える)」

毛並みのいいの「そんなことあるわけない。我々を作ったのは神だ」

白くてフサフサしたの「まったくだ」

モジャモジャの「いや、でも、我々とオオカミは共通点がいくつもある……」

イヌたち「(一斉にうなり吠える)」

背の低い茶色の「いいか、たとえ、我々がオオカミから生まれたとしても、我々をオオカミとは異なる優れた生き物にしたのは神なのだ」

白くてフサフサしたの「まったくだ」

モジャモジャの「では、その神というのはなんなのだ。我々をこのように作りあげた神とは?」

毛並みのいいの「神は神だ。イヌがイヌ、オオカミがオオカミであるのと同じだ」

モジャモジャの「科学者たちはこうも言っている。我々をデザインしたのは、人間だと」

毛並みのいいの「人間だと! 2本足でしか歩けず、自分の尻の舐めかたも知らないあのケダモノが?」

イヌたちは一斉に大笑いを始め、それは、飼い主たちがリードを引っ張って、犬の集会を解散させるまで続いたのであった。