苦い文学

現代の大岡さばき

被告:鰻文男(うなぎ・ふみお、53、住所不定無職)

事件の概要:2022年3月、マスクなしで飲食店に入り、マスク着用を求めた従業員らに対し激高し、「俺はコロナだ」などと大声で騒ぐ。通報を受け、駆けつけた警官たちにより、威力業務妨害の現行犯で逮捕。

裁判での弁護側の主張:被告は長い間、不遇で孤立した状況にあった。「俺はコロナだ」というのは、「自分はまるでコロナのように嫌われている」という被告の心情を表したものである。「自分がコロナウイルスに感染している」ということを言ったものではなく、それゆえ危害を加える意図もなかった、として無罪を主張。

判決:裁判官は、こうした事件では異例の主文後回しを告げ、判決理由を述べた。そののち、「被告は死刑だ」と宣告。

予想外の極刑に被告が激しく動揺すると、裁判官は「被告はまるで死刑のように難儀な男ということだ」と述べ、罰金刑を言い渡した。