苦い文学

寮の儀式のつぎ

そんなわけで、私は結局もう一人の新入生に会うことはできなかった。だが、考えてみれば、週末には、絶対参加の新入生歓迎会が開催されるというのだ。その時には必ず会えるに違いなかった。

そして、土曜日の夕方になり、1階のホールで歓迎会が始まった。酒とつまみは寮生たちの持ち寄りで、寮長の乾杯の合図とともにみな飲みはじめた。

私は未成年だったが、先輩たちと同じように飲んだ。それがみんな気に入ったようで、彼らは私に次から次へと酒を注ぐのだった。

酔いが回ったせいで私も多少遠慮がなくなった。それで、こんなことを尋ねた。

「新入生歓迎会なのに、どうしてもう一人の新入生はいないのですか?」

すると、にぎやかだったホールが一瞬にして静まりかえった。寮長が声を絞り出した。

「ああ、彼は……いる。もうすぐ来る」

即座に誰かが囁いた。「いや、来ない。だって、屋上にいるじゃないか」

「そうだ! 屋上だ!」と口々に同意する声。「行こう! 屋上に」

寮長が重々しくうなずくと、寮生たちは立ち上がり、階段を登っていった。私は呆気に取られながらも、彼らの跡を追って屋上に上がった。

そこでは夜空の下、寮生たちが輪になっていた。そして、彼らの中央にはどす黒い塊が横たわっているのだった。