苦い文学

仲直り

1990 年代を代表するイギリスのロック・バンド、オアシスが再結成されるというニュースが昨日、世界中を駆け巡った。しかも、ワールドツアーも開催するのだという。

ながらく解散状態にあったオアシスだが、その最大の原因は、バンドの中核をなすノエル・ギャラガーとリアム・ギャラガーの兄弟げんかだ。解散以来、しばしば二人の不和と言い争いはニュースになり、再結成を望むファンたちをヤキモキさせてきたが、ついに和解のときが来たのだ。

このバンドは、ロック史を変えた数々の名作で知られる。1964 年から、1996 年までの間に 27 枚のアルバムを出し、どれもその時代の最高傑作といっていい。私の好みをいえば、名盤『The Village Green Preservation Society』(1968)と『Misfits』(1978)だ。ぜひ、聞いてほしい。

また、ロック音楽、特にハードロック、パンク、ブリットポップ、オルタナ系のミュージシャンに及ぼした影響も計り知れない。カバーされる楽曲も多く、とりわけ有名なのは The Jam の「David Watts」と Van Halen の「You Really Got Me」だろう。

それにしても、バンドの中心メンバーであるレイ・デイヴィスとデイヴ・デイヴィスの兄弟が仲直りしたのは、じつにうれしいことだ。

もっとも、兄弟が本当に仲直りしたのかどうかについては、せいぜい「Definitely Maybe」ではないか、と観測する向きもある。そうだとしても、ここは素直にキンクスの再結成を喜びたい。