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ガールズバーで飲みたい放題(1)

 ここ最近、私はガールズバーのことで悩んでいる。

 だって、駅に行く途中のガールズバーの看板にこんなふうに書かれているのだ(写真参照)。

 この「飲みたい放題」とはなんだろうか。耳慣れない言い方だ。なぜガールズたちは「飲み放題」と言わないのか。

 「飲み放題」とは、好きなドリンクが(決まった料金で制限時間内に)好きなだけ飲める、ということだ。では「飲みたい放題」とはなんなのか。

 私のイメージだが、「飲みたい放題」とはこんな事態を指す。

 「ビールも飲みたい、ウィスキーも飲みたい。ワインも、カクテルも、シャンパンも飲みたい!」

 そんなふうな飲みたい気持ちをいくらでも言えるけど、本当に飲むのではない……これが「飲みたい放題」だ。

 つまり、「放題」は「飲み」ではなくて「たい」にかかっている。だから「〜し放題」なのは、「たい」という気持ちの表明だけであって、実際に飲むことではないのだ。

 となると、このガールズバーでは「飲みたい」という気持ちを40分表明するだけで、2000円だ。そして、間違いなくドリンクは別料金だ!

 私のような禁酒中の人間ならば、それで満足だが、飲みたい人にとっては、納得のいかない価格であろう。というか、禁酒してても納得いきません。

 しかし、「〜たい放題」という言い方が間違いというわけではない。「言いたい放題」「やりたい放題」などもある。

 だが、試みに「飲みたい放題」で検索してみると、ほとんどの検索結果が「飲み放題」として出てくる。だから、「飲みたい放題」はなにかおかしいのだ。

(つづく)