入管に収容されている人の仮放免手続きでは、普通、10万から30万円の保証金を入管に預けることになる。
保証金を払ったのち、入管から渡されるのが保証金受領証書だ。しかし、保証金が返還されるのは、仮放免中の人がビザをもらうか、帰国するかのどちらかの時で、たいてい何年も経ってからだ。そのため、この保証金受領証書をなくしてしまうこともある。
保証金受領証書がないと、保証金が戻ってこない。これは大変だ。
だが、入管はそういう人びとのために紛失届というものも用意してくれている。入管でこの書類を書けば、返還手続きを進められる。
私自身はなくしたことがないが、この保証金受領証書を保管している仮放免中の人がなくしてしまうことがあり、この紛失届の手続きをしたことがある。
その時思ったのは、このやり方だと、簡単に第三者が保証金を受け取ってしまうことができる、ということだ。保証金受領証書をなくしたと嘘をついて、ついでにハンコもなくしましたと言えば、入管はチェックのしようもないのだ。
もしかしたら、そうしたトラブルがあったのかもしれない、あるときから、紛失届だけではダメになった。
保証金受領証書の「盗難または遺失による場合」には、警察署または最寄りの交番へ届け出て、そこで発行される「盗難又は遺失届出証明書」も添えて提出すべしということになったのである。
これは面倒くさいが、我々はお金を取り戻すためならなんでもやるのだ。