苦い文学

扇子の汚染

暑くなってきたせいか、小さな扇風機を持ち歩く若い女性をあちこちで見かけるようになった。もう風物詩のような感じだ。

そして、同じくように、扇子をバタバタあおぐおじさんたちも現れた。

不思議なことにおじさんたちは絶対にハンディファンを使わない。そして女の子も絶対に扇子を使わない。まるでおじさんと女の子は互いに不可侵条約を結んだみたいだ。

それはともかく、おじさんたちはいつでもどこでも扇子でバタバタあおいで、周りの人をイラつかせる。きっと、わざとやってるのだ。混んでいる電車の中だっておかまいなしだ。

考えてもみてほしい、おじさんの汗を主成分とし、さらに肌の成分や口臭成分が配合された気体が、耳障りな音とともに車両中にばら撒かれるのだ。いや、両どなりの車両にだって影響がないとはいえない。

これを不快といわずしてなにを不快というべきだろうか。

おじさんたちはいうかもしれない。「いや、これは汚くない。ちゃんと処理してあるからどこに流しても大丈夫だ」

だが、果たしてそうだろうか。私たちは懐疑的だ。それにたとえそうだとしても、風評被害というものがある。

韓国の人々が不安に思うのも無理もないことではないか。