言語

日本語教育能力検定試験やよのさ(1)

 昨年、私は日本語教育能力検定試験を受けて合格した。

 私にとっては合格して当然の試験だ。

 なぜなら、私は日本語教師養成講座で教えていたこともあるからだ!

 「な、なのに合格してなかったのか……」と呆れる人もいるだろう。

 ならば、さらに呆れさせて進ぜよう。

 私はその日本語教師養成講座で、試験直前対策講座も担当していたこともあったのだ!

 「なんたる嘘つき、経歴詐称!」と義憤に駆られる方もいるかもしれない。しかし、日本語教師養成講座は、日本語教育能力検定試験の合格のみを目的としたものではないし、また、日本語のことなんか知らなくても教えられる分野もある。例えば、私が担当していた言語学分野だ。だが、それでも合格しているに越したことはない。

 現在の私は、日本語教師養成講座には関わりがないので、したがって日本語教育能力検定試験を受けようなどとは思わなかった。

 だが、去年の今頃のことだ、私の知り合いの何人かが日本語教育能力検定試験を受けようと決意した。それで勉強会を開くことになり、私に声がかかったのだ。一緒に受けませんか、と。

 私は迷った。試験勉強など面倒くさい、というか、試験時間が90分、30分、120分、合わせて4時間だ。きっと『ブラックジャック』のピノコのように試験中に倒れてしまう……もう試験の緊張に耐えられない体なのだ。

 断ろう、と思った瞬間、私の口から驚愕すべき言葉が飛び出した。

 「うけゆにきまってゆよのさ」

 そんなわけで、これからこの試験を受けようという人のために若干の経験を書き記しておこうと思うのである。

手塚治虫『ブラック・ジャック』「ハッスル・ピノコ」より