近代以降のチュニジアで、ベルベル語の使用が記録されている場所は 4 カ所ある。そのうちのひとつでは、すでに話者がいないとされている。タターウィーンとジェルバは、最近も文献が出ていることから、話者がいることは間違いない。
問題は (b) のガベス西部のマトマータだ。ここにはズラーワ、ターウジュート、タマズラットの 3 つの村があるが、目につくのは 1900 年にドイツで出版されたタマズラットの古い研究ぐらいだ。そのせいか「現在も話者がいるかは不明」などと言われるほどだ。
本当に話者はいないのだろうか?
もちろん、いる。ただ、研究が乏しいか、あっても入手しにくいせいで、あまり知られていないだけのようだ。
ネットを探せば、タマズラットの例文集と語彙集が見つかる。タマズラット出身のベルベル語話者がまとめたものだ。
それに、私自身、2024 年 3 月にマトマータに行ったとき、ベルベル語を話す老人に出会った。もっとも、その人がどこの出身かは聞きそびれた。
そして、2025 年 3 月、私はチュニスでひとりのベルベル人の男性を紹介された。その人は 3 つの村のひとつ、ターウジュートの出身で、私はこの出会いをきっかけに、ようやくチュニジアのベルベル語の世界に足を踏み入れることができたのであった。そのいきさつについては、別のタイトルで書くつもりだ。
(写真:タマズラットの表示。2024 年 3 月撮影)