今年の実践コースで三味線クラスを担当されたのは、鶴澤三寿々先生だ。とてもやさしい先生で、明らかに練習不足の私でも他の受講生と同じように扱ってくださったのもありがたかったし、1 時間の講座のあいだ、20 分おきぐらいに正座を解く時間を設けてくれたのも、これは本当にありがたかった。
私たち受講生が正座から解き放たれて足を伸ばしているあいだ、先生が三味線にまつわる話をしてくださるのも楽しい。お手本として課題の曲を演奏してくださることもある。あるときなど本気の演奏をされて、受講生ばかりでなく、助手の先生方もその気迫にのまれたようになった。
講座を通じて、三味線はただ弦を押さえて鳴らしてもいい音は出ない、ということを先生から学んだ。まず、音は粘ってチインと伸ばすこと、そして、ギリギリまで弦から指を離さないということ。さもなければ、音がぶつ切れになってしまう。また、弦は、ギターのように指の腹ではなく、爪で押さえる。これができると、三味線の音がぜんぜん変わってくる。もうひとつは、弦を押さえた指を揺することだ。ギターでいうビブラート奏法で、三味線もギターも共通しているのが面白い。
実際に先生の演奏を聞くと、音に張りと粘りがある。音符には記されない独特の共鳴音がある。簡単に出せる音ではないが、私もいつか出せるようになりたい。というか、その前に、曲を覚えねば。